ヒヨコマメ

ヒヨコマメ（雛豆）とは

ヒヨコマメ（学名：Cicer arietinum）は、マメ科の一年草で、世界中で食用として栽培されています。日本では、ヒヨコ豆、ガルバンゾー、エジプト豆といった名前で親しまれています。

名称の由来

属名の Cicer は、ラテン語で「ヒヨコマメ」を意味します。種小名の arietinum は「雄羊のような」という意味で、豆の形が羊の顔に似ていることに由来すると言われています。英名の Chickpea は「ヒヨコのような豆の形」から名付けられたと一般的に認識されています。

日本では、栗のようなホクホクした食感から「栗豆」と呼ばれることもあります。

歴史

ヒヨコマメは、中東の「肥沃な三日月地帯」で最初に栽培されました。最古の記録は、7500年前のトルコで発見されています。その後、紀元前4000年には地中海沿岸に、紀元前2000年にはインドに伝わりました。古代エジプトやローマでは、広く食べられていました。インドでは「チャナー」と呼ばれ、重要な食材として利用されています。

形態

ヒヨコマメには39種類の野生種がありますが、交雑可能なのは C. reticulatum のみです。種子は球状で、吸水線付近が盛り上がっています。春から初夏にかけて、白や桃色の花を咲かせ、毛の生えた莢の中に1～2粒の種子をつけます。種子の色は白、黒、茶色など様々です。

栽培種

ヒヨコマメは、主に半乾燥地域で栽培されています。主な生産地は、中東、地中海沿岸、インドなどです。中南米では、スペイン人の植民後に栽培が始まりました。

品種

インドでは、種皮の色によって大きく2つの品種に分けられます。

デーシー種（ベンガル豆）: 褐色で表面がざらついており、インド亜大陸周辺で栽培されています。食物繊維が多く、グリセミック指数が低いのが特徴です。
カーブリー種: 乳白色で大粒、表面がつるっとしており、南ヨーロッパや北アフリカなどで栽培されています。

デーシー種の皮を取り除いたものは「チャナー・ダール」と呼ばれ、インド料理によく使われます。

生産

最大の生産国はインドで、次いでパキスタン、トルコ、エチオピアなどが主な生産国です。

栄養

ヒヨコマメは、亜鉛、葉酸、タンパク質の供給源として優れています。脂質は少なく、多価不飽和[[脂肪酸]]が豊富です。食物繊維も多く含まれています。

料理

ヒヨコマメは、乾燥した豆を水で戻して茹でて食べることが一般的です。若い豆は生でも食べられます。

煮込み料理やスープ、サラダなど、様々な料理に使われます。インド料理のダール、中東料理のフムスやファラフェルなどが代表的です。また、製粉したヒヨコ豆の粉はベサンと呼ばれ、パンケーキやパスタ、揚げ物の衣などに利用されます。

日本におけるヒヨコマメ

日本では、乾燥した気候が適しているため、栽培はあまり盛んではありません。流通しているヒヨコマメは輸入品がほとんどです。近年、スーパーマーケットなどで水煮や缶詰、レトルト食品が販売されるようになり、以前より身近な食材となりました。

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