ファイザー

ファイザーの歴史と事業概要

ファイザー（Pfizer Inc.）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を構え、世界的に展開している製薬会社です。1849年にチャールズ・ファイザーによって設立され、以来医薬品業界におけるリーダー的存在として成長を続けています。2021年の売上高は、世界第1位を記録しました。本社はニューヨーク市のミッドタウンにあり、企業スローガンは「患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす（Breakthroughs that change patients' lives）」です。

沿革

• - 1849年: ファイザーが創立された。当初は医薬品の製造を行い、南北戦争時には北軍向けに医薬品を提供しました。
• - 1949年: 初の自社開発品である抗生物質テラマイシンが成功を収めました。
• - 1970年: 社名を「チャールズ・ファイザー＆カンパニー・インク」から「ファイザー・インク」に改称しました。
• - 1982年: 抗炎症剤フェルデンが年間売上10億ドルを突破し、ブロックバスターとしての地位を確立しました。
• - 2003年: ファルマシア社の買収を経て、世界最大の製薬会社となりました。
• - 2018年: ドイツのバイオ企業BioNTechとの共同研究契約を結び、mRNA技術の開発を進めました。

ファイザーは、特に1990年代からの大型買収を通じて急速に成長してきました。リピトール、バイアグラ、ゾロフトなどの大ヒット商品を輩出し、これらはファイザーの収益の柱となっています。しかし、2011年にリピトールの特許が切れた後は、新薬の開発に苦戦しているのが現状です。

研究開発と製品

ファイザーは、毎年9000億円近い費用を研究開発に投じていますが、ここ数年の新薬開発は停滞気味です。目立った新薬が出ていない中、リストラを進めるなど、経営体制の見直しを迫られています。著名な製品として、抗炎症薬やがん治療薬などがあり、特にリピトールやバイアグラは広く知られています。

不祥事

ファイザーは、1996年にナイジェリアで行った臨床試験において、薬剤「トロバン」が原因とされる死亡事故で訴訟を起こされました。この問題は、インフォームド・コンセントの取得過程に疑問が持たれ、最終的には7500万ドルの賠償金を支払うことで和解しました。

日本法人

日本のファイザー株式会社は、1953年に田辺製薬との合弁によって設立されました。当初は抗生物質の販売が中心でしたが、現在では独自の製品展開を行っています。2015年には厚生労働省から改善命令を受けたこともあり、社内体制を見直すきっかけとなっています。

まとめ

ファイザーは、長い歴史を持ち、数多くの革新をもたらした製薬会社です。成功した製品の開発や企業買収により、世界の医薬品市場で重要な役割を果たしてきましたが、近年の新薬不足や不祥事が影を落とす中、今後の展望が注目されています。

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