ファスナー

ファスナーの全貌

ファスナー（英：fastener）は、さまざまな衣類や製品に使われる留め具の一種で、繰り返し開閉することができます。英語の意味は「しっかり留めるもの」であり、その用途は広範です。ファスナーは、その構造によって点ファスナー、線ファスナー、面ファスナーの三種類に分類され、各種のモデルが存在します。ファスナーの基本的な配列としては、男性物の衣類は左側に、女性物は右側に配置されることが一般的です。また、工業分野では、ファスナーを用いて複数の部材をまとめることを「ファスニング」と呼びます。

点ファスナー

点ファスナーの代表例はスナップボタンで、衣類では主にこのタイプが用いられています。スナップボタンはその機械的仕組みから、伸び縮みすることで開閉可能な形式を持っており、第一次世界大戦時にアメリカのDOTファスナーズによって開発されたことから「ドットボタン」とも呼ばれています。

日本ではスコービル・ファスナーが有名で、その製品は長らく日本国内で生産されていましたが、現在は生産が終了しており、一部のコレクターにとっては貴重なアイテムとなっています。また、スナップボタンの引き手に穴が開いている理由は、開けやすさと滑りにくさの工夫にあります。

点ファスナーの機構

点ファスナーは、いくつかのタイプに分かれます：

• - 割ればねタイプ：弾力性を持ったバネで結合します。現在でも9ボルトの乾電池などに利用されています。
• - 丸ばねタイプ：内部にリングがあるばねによって固定される方式です。アメリカのDOT製品がこのタイプで著名です。
• - 2本ばねタイプ：メス部内に2本のばねが存在し、その弾力で結合が行われます。これはドイツのプリムが開発しました。
• - 1本ばねタイプ：内部に1本のばねがあり、同様に弾力性で勘合します。
• - プラスティックタイプ：樹脂の弾力性を利用して嵌合するタイプです。

線ファスナー

線ファスナーは、線上に配置された歯が噛み合うことで固定する仕組みです。このタイプは1891年にアメリカで発明され、商標からジッパーやチャックと呼ばれることもあります。これもまた非常に多用途で、衣類以外にもバッグや雑貨など様々な製品に活用されています。

面ファスナー

面ファスナーは、自然界の草の実が衣類に固着することに着想を得て1948年にスイスで発明されました。商標としてはベルクロやマジックテープの名でも知られ、特にベルクロ社の名称が有名です。日本においては、クラレがベルクロのライセンス製造を行っていましたが、1999年以降ライセンス契約が終了し、現在は独自のブランド名でマジックテープとして提供しています。

ファスナーの進化と市場の変遷

ファスナーは、衣類の開閉を容易にするだけでなく、さまざまな製品に応用される広範な技術です。近年では、デザイン性や機能性が求められ、高機能素材の登場によりファスナーも進化を続けています。これらの変化により、ファスナーは単なる「留め具」という域を超え、ファッションや工業製品において欠かせない存在となっています。

まとめ

ファスナーはその形態や機構において多様な選択肢を提供し、衣類や製品の利便性を高めています。点、線、面のファスナーそれぞれが特徴を持ち、産業においても重要な役割を果たしていることが理解できるでしょう。

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