ファミリーヒストリー

『ファミリーヒストリー』の概要

『ファミリーヒストリー』（FAMILY HISTORY）は、NHK総合テレビジョンが2008年から放送しているドキュメンタリー番組であり、各界で活躍する著名人の家族や先祖の物語を深掘りします。この番組は、日本国内外の関連人物を取材し、得られた映像と出演者の感想を通じて構成されています。

番組の起源

番組が制作されるきっかけとなったのは、制作メンバーの一人である小山好晴氏の義父が亡くなる直前に自らの生い立ちを語り始めたことでした。この経験から、著名人だけでなく一般の人々の生活史や家族の物語を掘り下げることに興味を持つようになったのです。また、映画『ゴッドファーザー』などからもインスパイアを受け、家族のドラマを描くことが新しい試みとされました。

番組は、2008年以降不定期で放送され、2012年からはレギュラー番組として位置づけられました。しかし、2016年度には一時的に放送時間が短縮されるなどの事情がありました。特に注目されたのは2017年に放送された初の特番であり、定期放送が一時中断された後も再開されました。2020年には初めてパンダをテーマにするなど、新たな試みが行われています。

出演者選定と取材

番組のゲストは「家族の歴史に興味がありそうな人物」として選ばれますが、オファー前に詳細な調査は行われません。番組への認知度の向上に伴い、一度断られた方が再度出演を承諾するケースもあります。このように、視聴者とのつながりを大切にしながら取材が進められます。出演者がオファーを受け入れると、次は先祖の居住地などの調査が行われます。この過程では、担当のディレクターが主体となって取材を進め、リサーチャーやアシスタントディレクターの協力を得る形が取られます。

番組の司会者と出演者

番組の司会者には多くの著名なNHKアナウンサーやタレントが名を連ねており、ガレッジセールのゴリや川田広樹、高橋美鈴などが過去に担当してきました。また、今田耕司や三輪秀香など、様々な顔ぶれが登場してきています。サブゲストには、タカアンド[[トシ]]のタカとトシ、中川翔子、国仲涼子などの名が挙げられ、多彩なゲストが家族の物語に華を添えています。

評価と批判

『ファミリーヒストリー』は、その内容に対して多くの評価を受けました。朝日新聞などのメディアは、番組のアプローチに対して高く評価し、「市井の人々にもドラマがあり、誰もが時代を作った一員だと感じさせる」と評しています。一方で、家系に着目する点に対しては批判もあり、現代社会での問題点や差別の助長につながる可能性があるとの意見も存在しています。

受賞歴

この番組は多くの賞を受賞しており、例えば第51回ギャラクシー賞テレビ部門奨励賞やATP賞2016ドキュメンタリー部門優秀賞など立派な業績を残しています。2023年には、草刈正雄をテーマにした回が再び評価されました。

その他の情報

『ファミリーヒストリー』は、NHKの他の番組でもパロディーされることがあります。チコちゃんに登場したり、他のバラエティ番組でもそのスタイルを模した企画が放送されています。また、レギュラー版のテーマ曲にはくるりの「Remember me」が使用されています。特に注目すべきは、歴史に名を残さない一般の人たちこそが、個々のドラマを大切に持っているというメッセージです。このように、身近な家族の歴史を知ることは、多くの人にとって意義深い体験となることが期待されているのです。

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