ファーウェル

ファーウェル (Farwell)

ファーウェル（1956年 - ?）は、ブラジルが生んだ伝説的な競走馬です。その卓越した能力から、ブラジル競馬史上最強馬の一頭として、その名を深く刻んでいます。父はバーファム、母はマリルという血統で、漆黒の馬体が特徴でした。

圧倒的な競走成績

2歳時には、早くもその才能を開花させ、ジュリアーノ・マルティンス大賞を制覇。デビュー以来、破竹の勢いで勝ち続け、無敗のままサンパウロ地区の三冠を達成するという偉業を成し遂げました。その強さは、国内に留まらず、翌年にはブラジル大賞で、アルゼンチンの強豪エスコリアルを打ち破ることで証明されました。エスコリアルは、アルゼンチンのカルロスペルグリニ大賞と5月25日大賞を制し、凱旋帰国したばかりの強豪であり、この勝利によって、ファーウェルの評価はエスコリアルを上回るものとなりました。

通算成績は17戦15勝2着2回という驚異的なもので、主な勝利レースは以下の通りです。

1958/1959年シーズン
ジュリアーノ・マルティンス大賞
アンテノール・ラーラ・カンポス大賞
1959/1960年シーズン
イピランガ大賞
ダービーパウリスタ大賞
コンサグラサン大賞
1960/1961年シーズン
ブラジル大賞
サンパウロ大賞

海外遠征と幻の種牡馬

国内では圧倒的な強さを誇ったファーウェルですが、アルゼンチンに遠征した際には、2戦ともに2着に敗れています。この結果が、ブラジル国内での評価ほど、国際的な評価に繋がらなかった一因とも言えるでしょう。しかし、その国内での実績は、紛れもなくブラジル競馬史に残るものです。

引退後、ファーウェルは種牡馬となりましたが、残念ながら生殖能力がなく、産駒を残すことはできませんでした。もし、ファーウェルの血を受け継ぐ産駒が誕生していたら、ブラジル競馬の勢力図は大きく変わっていたかもしれません。その血統を受け継ぐことができなかったことは、ブラジル競馬界にとって大きな損失であったと言えるでしょう。

まとめ

ファーウェルは、ブラジル競馬史における伝説的な存在です。無敗でサンパウロ三冠を達成し、ブラジル大賞でアルゼンチンからの凱旋馬エスコリアルを破ったその実力は、多くのファンを魅了しました。種牡馬としては不遇でしたが、その名は今もなお、ブラジル競馬史に燦然と輝いています。

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