フィラデルフィア・エクスペリメント

フィラデルフィア・エクスペリメント

1984年に公開された『フィラデルフィア・エクスペリメント』は、アメリカのSF映画であり、有名な都市伝説である「フィラデルフィア計画」を素材にしています。この映画は、当初ジョン・カーペンターによって監督される予定でしたが、シナリオの改訂により最終的には他の監督に引き継がれました。

あらすじ

1943年、第二次世界大戦中のフィラデルフィア港において、アメリカ海軍は秘密裏に「フィラデルフィア計画」と称される実験を進めていました。この実験の目的は、艦船をレーダーから隠すことで、敵国の探知を逃れることにありました。

水兵であるデビッドとジムは、その実験の実行を担当していました。彼らが実験装置のスイッチを入れると、駆逐艦エルドリッジは瞬時にレーダーから消えるだけでなく、海上からも姿を消してしまったのです。しかし、艦はしばらくして元の場所に戻ったものの、乗組員たちは大火傷を負ったり、艦の壁や甲板に身体が埋まってしまったりと、恐ろしい事態が展開されていました。デビッドとジムはその瞬間に姿を消し、時空を越えて1984年のネバダ州の砂漠に転送されることになります。

砂漠で出会ったアリソンと共に彼らは逃避行を始めますが、一方では実験を指揮していたロングストリート博士が、41年前と同じ実験をゴーストタウンを舞台に再度実施することにします。ところが、再実施された実験から放出された膨大なエネルギーが時空の連続体に歪みを生じさせ、巨大な裂け目が生まれました。これによって異常気象が引き起こされ、さらには地球全体に危機が迫る事態へと発展します。

デビッドはアリソンとともに、再度実験が行われる場所に戻り、この状況を食い止めるために奔走します。果たして彼らはその運命を変えることができるのか、映画は緊迫の瞬間を描き続けます。

キャストと吹き替え

『フィラデルフィア・エクスペリメント』は、日本ではいくつかの吹き替え版が制作されています。フジテレビ版は1985年に初回放送され、テレビ朝日版は1991年に放送されました。また、2014年にWOWOWで放送された際には、地上波でカットされた部分を同じ声優陣で追加しての特別版が制作されました。さらに、2015年にはブルーレイがリリースされ、フジテレビ版の吹き替えが収録されました。

作品の位置付け

この映画は、単なるSFドラマだけではなく、陰謀論やステルス技術など、当時の社会背景も反映した作品といえるでしょう。また、続編『フィラデルフィア・エクスペリメント2』が1993年に制作されましたが、ストーリーは本作とは独立した内容となっています。作品全体を通じて、フィラデルフィア計画に基づく壮大なSFの世界が繰り広げられ、視聴者はその不思議な世界観に引き込まれます。

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