ブタイウラ

『ブタイウラ』について

『ブタイウラ』は高津カリノが手がけた日本の4コマ[[漫画]]で、2002年から2008年の間に連載されていました。ウェブサイト「うろんなページ」にて公開され、全25話で構成されています。この物語は、一風変わったサーカス団を中心に展開され、多彩なキャラクターたちの織り成すドラマが描かれています。連載は終了しましたが、2014年にスクウェア・エニックスから書籍化され、加筆修正の上で全2巻として発売されました。書籍版では構成が見直され、最終回後には新たなエピソードも追加され、全24話として刊行されています。

あらすじ

物語は、主人公のヒシンが雑技団の団長の息子として登場するところから始まります。彼は父に促され、ガルディアという街にあるサーカス団での修業を受けることになります。サーカス団には多くの個性的な団員が揃っており、団長のナサヤを中心に、ピエロのルース、歌い手のセリアー、人形遣いのアレス、猛獣使いのリナカといった仲間たちがいます。しかし、サーカス団は長い間公演を行っておらず、ヒシンの提案で久しぶりに再開することになります。

この新たな公演の中で、ヒシンは突如として裏人格に目覚め、団員たちに危害を加える事態が発生します。彼を元の人格に戻したルースによって事は収まりますが、以降ヒシンは一部の団員から「切り裂き魔」と名付けられることになります。それでも、ナサヤの双子の息子ソルガとソシアには「師匠」として慕われ、逆にナサヤの異父妹リリザは怖がる存在となります。臆病なリリザは、普段は箱に隠れているのですが、ある日ソルガとソシアに箱を奪われてしまいます。この騒動を通じて、ヒシンはリリザを飴で励まし、精神的に強くなる手助けをするようになります。

ヒシンは裏人格による行動が他者に迷惑をかけていることを次第に理解し、最終的には故郷に戻り詫びをする決意を固めます。彼はサーカス団に戻るための旅へと出発するのです。

登場人物

• - ヒシン: 主人公であり、刃物投げの専門家。真面目な性格ながら、目隠しをされると裏人格に変わってしまうのが特徴です。
• - ルース: サーカス団のピエロで、爆弾の製造に長けた賞金稼ぎ。セリアーを深く愛しています。
• - セリアー: サーカス団の歌い手であり、事故により声を失うが、後に回復します。ルースに愛され、リナカとは複雑な関係にあります。
• - アレス: 人形遣いとして冷静沈着だが、面倒見の良い人物。リナカの手当てを行なっています。
• - リナカ: 猛獣使いで危険な職業ながらも、アレスに寄り添い、彼との大人の関係を持っています。
• - ナサヤ: サーカスの団長であり、双子の父でもあります。物語の中で重要な役割を担っています。
• - リリザ: ナサヤの異父妹。引きこもりの性格で、独自の成長過程を辿ります。

作風

高津カリノは、2004年に『WORKING!!』で商業デビューを果たしましたが、それ以前から「うろんなページ」で多くのウェブコミックを手がけていました。『ブタイウラ』は、彼にとって初めての本格的な漫画作品であり、珍しいキャラクターたちの個性や人間関係がじっくりと掘り下げられるスタイルは、商業デビュー後の作品にも影響を与えています。このように、『ブタイウラ』はキャラクターたちの成長と人間関係を描いた、心温まる物語として、多くの読者に愛され続けています。

書誌情報

本作は全2巻で、2014年にスクウェア・エニックスより刊行されました。上巻と下巻のISBNはそれぞれ、978-4-7575-4513-7と978-4-7575-4514-4です。

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