ブラジル軍

ブラジル軍の概要

ブラジル軍（Forças Armadas Brasileiras）は、ブラジル連邦共和国の国防を擁護するために存在しています。この軍隊は、以下の3つの主要な部隊で構成されています。

• - ブラジル陸軍（Exército Brasileiro）
• - ブラジル海軍（Marinha do Brasil）
• - ブラジル空軍（Força Aérea Brasileira）

それぞれの役割

陸軍は、主要な国土防衛の任務を担い、兵力は約19万人です。一方、海軍は領海の警備を担当しており、ラテンアメリカで最も古い軍隊として長い歴史を持っています。海軍はかつて航空母艦サン・パウロ（元フランス海軍のフォッシュ）を運用していましたが、老朽化が進み2017年に運用を終了しました。それでもなお、海軍は多数のフリゲートや潜水艦を保有しており、ラテンアメリカでは最大の海軍力を維持しています。

また、空軍は陸海軍から派生して設立され、約66,000人の隊員と700機以上の航空機を擁しています。

兵役の制度

ブラジルでは、18歳から男性に対して義務的な兵役が課せられており、陸軍は12ヶ月、空軍は24ヶ月、海軍は36ヶ月の服務が求められています。ただし、正当な理由がある場合（職業、学業、健康等）には免除が認められます。女性も1980年代から陸軍に入隊することが可能となり、2006年には初めて女性空軍パイロットが卒業しました。

現在の課題

しかし、ブラジル軍は予算の不足に悩んでいます。軍人の給与や年金の支出が圧迫され、装備の維持や更新に十分な予算が割り当てられていません。陸軍の保有する車両の78%は34年以上前に導入されたもので、一部には第二次世界大戦中のものも見られます。状況は深刻で、装甲車両の42%から70%が機能しておらず、弾薬も必要量のわずか15%しか確保できていません。

海軍も同様の問題に直面しており、7000キロを越える海岸線を守るために21隻の水上艦艇を持っていますが、稼働しているのはわずか10隻です。潜水艦については、完全に可動しているのはわずか1隻に過ぎません。航空機に関しても、空軍が保有する航空機のうち267機のみが運用可能で、残りの452機は整備不良や部品不足により飛行不可能とされています。特に、保有する航空機の60%は20年以上運用されている老朽機です。

まとめ

このように、ブラジル軍は強力な国防能力を有するものの、財政的な制約によって装備の管理や更新に困難な状況に直面しています。今後の持続可能な運営が求められています。

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