ブリジット・マクロン

ブリジット・マクロン

ブリジット・マリー＝クロード・マクロン（フランス語: Brigitte Marie-Claude Macron）は、1953年4月13日生まれのフランスの元教師です。彼女はフランス共和国大統領でアンドラ共同公であるエマニュエル・マクロンの妻として、ファーストレディの役割を担っています。旧姓はトロニュー（Trogneux）、最初の結婚による姓はオズィエール（Auzière）です。

生い立ち

ブリジット・マリー＝クロード・トロニューとして、ガリア戦記に由来する歴史的な地名を持つフランス北部のアミアンで誕生しました。彼女は5代続くショコラティエの家系に生まれ、父ジャン・トロニューと母シモーヌの6人兄弟の末っ子でした。一家が経営するチョコレート店「ジャン・トロニュー」は1872年にアミアンで創業し、現在も彼女の甥であるジャン＝アレクサンドル・トロニューによって引き継がれています。

経歴

教育者としてのキャリアは1980年代に始まり、ストラスブールのコレージュ・ルシ＝ベルジェで文学を教えていました。1990年代には、アミアンにあるイエズス会系のリセ・ラ・プロヴィダンスに移り、ラテン語とフランス語を担当しました。その後、2007年から2015年まで、パリ16区にある国内有数の名門私立高校、リセ・サン＝ルイ・ド・ゴンザグで教壇に立ち、そこでLVMHグループのベルナール・アルノー氏の息子たちにもフランス語を教えていました。

ブリジットが夫となるエマニュエル・マクロンと出会ったのは、アミアンのリセ・ラ・プロヴィダンスの演劇部でのことです。当時、彼女は演劇部の顧問を務め、当時15歳だったエマニュエルは部員の一員でした。彼のクラスメイトには、ブリジットの娘ローランスもいました。25歳という大きな年齢差のある二人の関係は、当初は大きな戸惑いや論争を招きましたが、時間をかけて受け入れられるようになりました。

政歴と公的役割

ブリジット自身が政治の道を志したのは一度きりです。1989年、フランス東部のトルヒタースハイム市議会議員選挙に立候補しましたが、当選には至りませんでした。

2017年の大統領選挙戦においては、夫エマニュエルの陣営で非常に積極的に活動し、その側近たちは彼女の存在が不可欠であったと証言しています。エマニュエルは大統領就任後、これまでの慣習とは異なり、妻の役割を公的なものとすることを表明しました。しかし、大統領夫人に公式な肩書きを与え、スタッフや予算を割り当てるという提案に対して、縁故主義への懸念から27万5千筆を超える反対署名が集まりました。

この結果、フランス政府はブリジットに公式な「ファーストレディ」の肩書きや専用の公式予算は付与しないことを発表しました。しかし、彼女の役割と活動を明確にするための「透明性憲章」が後に発表され、彼女のスタッフ体制など、公的な活動を支えるリソースについて明らかにされました。彼女は現在、公式ではないものの、大統領の配偶者として様々な公務や社会貢献活動を行っています。

パブリックイメージ

ブリジット・マクロンのファッションや立ち居振る舞いは、国内外のメディアでしばしば取り上げられ、評価の対象となっています。特に国際的な会合での彼女の服装スタイルには関心が寄せられています。彼女のスタイルは、親交のある実業家ベルナール・アルノー氏との関係から、ルイ・ヴィトンの衣服を公の場で無償着用していたことが話題になったこともあります。

私生活

1974年6月22日、ブリジットは銀行家のアンドレ＝ルイ・オズィエールと結婚し、セバスチャン（1975年）、ローランス（1977年）、ティフェヌ（1984年）という3人の子供をもうけました。家族は1991年までトルヒタースハイムで生活し、その後アミアンに移りました。1993年、40歳だったブリジットは、教え子であり娘の同級生でもあった当時15歳のエマニュエル・マクロンと出会いました。彼女は2006年1月に最初の夫アンドレ＝ルイ・オズィエールと離婚し、翌2007年10月にエマニュエル・マクロンと再婚しました。エマニュエルとの間に子供はいませんが、最初の結婚で生まれた子供たちから7人の孫がいます。

主な栄典

デンマーク: ダンネブロ勲章・Dame Grand Cross （2018年8月28日）
イタリア: イタリア共和国功労勲章・Grand Cross（2021年7月1日）
コートジボワール: コートジボワール国勲章・Commander（2019年12月21日）
スウェーデン: 北極星勲章・Member Grand Cross（2024年1月30日）

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