プルーン

プルーンとは

プルーンは、セイヨウスモモ（Prunus domestica）の特定の系統から作られる果実です。主に、果汁が少ないプルーン系統の品種がドライフルーツ（乾燥果実）として利用されますが、生で食されることもあります。

語源

プルーンの語源は、ギリシア語の「PROUNON」に由来します。この言葉は、現在のトルコ中央部にあたるフリュギア地方が起源とされています。フリュギアからギリシアへ、そしてラテン語へと伝わり、中世以降にフランス語で「prune」として定着しました。

特徴

プルーンの原産地はロシア・コーカサス地方とされ、果実は楕円形をしています。果皮は赤紫や青紫色で、果肉は黄褐色をしており、甘味と酸味があります。ドライプルーンとして利用される品種と生食用として利用される品種があり、日本では主に生食用の品種が多く栽培されています。

果実の中心には大きな種があり、多くの品種では種と果肉が密着しています。しかし、品種によっては果肉から簡単に種を取り除くことができるものもあります。

プルーンは食物繊維が豊富で、半生状のドライフルーツや、ペースト状のシロップに加工されることが一般的ですが、新鮮なものはそのまま生で食べることも可能です。旬は7月から9月にかけての夏季です。

歴史

プルーンは、原産地のコーカサス地方から南ヨーロッパへと広がり、薬用果樹としても重宝されてきました。その後、フランスを中心に栽培されるようになり、19世紀中頃にはアメリカ大陸やオセアニアにも広がりました。プルーンの栽培の歴史は約2000年とされています。

主な産地

世界的には、アメリカ合衆国のカリフォルニア州がプルーンの一大産地として知られています。

日本では、雨による裂果が起こりやすいため、比較的雨の少ない長野県が国内生産量の約6割を占めています。その他、青森県や北海道などでも栽培されています。日本国内で生産されたプルーンの多くは、生食用として出荷されています。

栄養素

プルーンは、食物繊維が非常に豊富な果実です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランス良く含んでいます。特に、水溶性食物繊維であるペクチンは、善玉菌の栄養源となり、腸内環境の改善や便秘の予防・改善に役立つとされています。

プルーンに含まれる炭水化物の多くは、食物繊維とソルビトールです。ソルビトールには優れた整腸作用や便秘解消効果があり、便秘薬や緩下剤の成分として利用されることもあります。さらに、プルーンは皮膚や粘膜を健康に保つビタミンA、骨の形成に関わるビタミンK、代謝を促すビタミンB群など、様々なビタミンを含んでいます。また、ポリフェノールも豊富です。

記念日

2007年7月には、サンスウィート・インターナショナル日本支社によって、毎月26日が「プルーンの日」として制定されました。

脚注

1. 果樹全書モモ・スモモ農山漁村文化協会(1985.9.20)P518
2. ドメスチカスモモ-中央果樹協会domesuchika.pdf https://www.japanfruit.jp/Portals/0/images/fruit/endemic/pdf/domesuchika.pdf

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、プルーンに関するカテゴリがあります。
三基商事 - ミキプルーン

外部リンク

* セイヨウスモモ（俗名：プルーン） - 素材情報データベース＜有効性情報＞（国立健康・栄養研究所）

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