ブロックヘッド

ブロックヘッド (Blockhead)

ブロックヘッドは、哲学者ネド・ブロックが思考実験として提唱した理論上のコンピュータシステムです。彼の論文「心理学主義と行動科学主義」で提示されました。

ブロックは、システムの知性の有無を判断する上で、内部メカニズムが重要であると主張しました。そして、知性を持たないシステムでもチューリング・テストをパスできる可能性を指摘しています。

概要

あるコンピュータが人間と会話を続ける状況を想定します。ブロックによれば、言語の性質上、会話の開始時に使用できる、文法的に誤りのない発言の数は有限です。同様に、最初の発言に対する適切な応答の数も有限です。このロジックを繰り返すと、会話の最後まで同様のことが言えます。

ここで、考えられる全ての発言をあらかじめプログラムしたコンピュータを想像してみましょう。30分間の会話に必要な発言の数は膨大ですが、理論的にはこのような機械の存在は可能です。

可能な発言を全てプログラムされた機械は、あらゆる話題について人間と会話を続けることができます。したがって、この機械は知性を持たずとも、チューリング・テストをパスできると考えられます。

ブロックは、この思考実験を通じて、知性を生み出す内部構造が一意に定まるわけではないものの、内部構造によっては知性が生まれない場合もあることを示唆しています。

この議論は、ジョン・サールの「中国語の部屋」の議論とも関連があります。

関連項目

人工知能
言語哲学
人工意識
強いAIと弱いAI

外部リンク

* Ned Block, Psychologism and Behaviorism（英語）

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