ブローバ

ブローバ（Bulova）

ブローバは、アメリカ合衆国に本社を置くブローバ・コーポレーションが展開する時計ブランドです。この企業は1875年に創業され、初めは宝飾店でしたが、やがて懐中時計や腕時計の製造に乗り出し、20世紀のアメリカを代表する時計メーカーの一つへと成長しました。企業誕生以来の理念「Perfection before Production」や「Quality before Quantity」を持ち、高品質な商品を提供し続けています。

歴史

ブローバの歴史は1875年に遡ります。創業者のジョセフ・ブローバは、ニューヨークのマンハッタンで宝石店を開きました。その後1911年に時計製造に参入し、1912年にはスイスのビエンヌに自社工場を設立。これによりコストと品質の両立を図り、アメリカ製でありながらスイス製とされる時計も生まれました。1928年にはクロックラジオを製品化、1941年には世界初のテレビコマーシャルを放映するなど、常に革新を追求してきました。

特に注目すべきは1960年に発表された電池式腕時計「アキュトロン」です。これは音叉を用いたムーブメントを搭載し、月差1分以内という優れた精度を誇ります。この技術は、アメリカ航空宇宙局（NASA）との深い関係にも結びつき、ジェミニ計画やアポロ計画における時間計測装置の供給者となるなど、宇宙探査においても重要な役割を果たしました。特にアポロ15号の宇宙飛行士が持ち込んだクロノグラフは、ブローバ製でした。

また、ブローバの腕時計はエアフォースワンに搭載されたことでも知られています。2014年に発表された「ブローバ・アキュ・スイス」は、スイスメイドのプレミアムコレクションとして、多くのファンから支持を集めています。メンズモデルは機械式、ウィメンズモデルはクォーツ式で構成されており、最新の技術を駆使した製品群を展開しています。

テクノロジーと革新

ブローバは、音叉を使用したムーブメントを開発し、精密な時計制御に成功しました。音叉式腕時計はその名が示す通り、音叉の振動を利用して時間を計測します。この革新により、ブローバは時計業界での地位を確立しました。しかし、音叉技術の特許を保持し続けたため、他社が同じ技術を容易に模倣できなかったことがあり、これが結果としてブローバの競争力を一時的に削ぐ要因にもなりました。

近年では、機械式時計の精度をユーザー自身が調整できる「外部歩度調整システム（EFAS）」を発表し、時計業界に新風を巻き起こしました。このシステムは、ユーザーが時計の精度を簡単に調整できるように設計されており、利便性と機能性を兼ね備えています。

現代のブローバ

2020年には「アキュトロン」がブランドとして独立し、オリジナルデザインを踏襲しながらも革新的なモデルが新たに発表されています。ブローバは、これからも高品質な時計を求める消費者の要望に応えながら、さらなる革新を続けていくことでしょう。特にアキュトロンシリーズは、これまでの歴史を踏まえつつ、最新の技術を融合させた製品を提供しており、多くの時計ファンから注目されています。ブローバの時計は、その精度、優れた機能性、そしてスタイルの良さから、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

もう一度検索