プリズナー

ドラマ『プリズナー』の概要とあらすじ

2008年11月16日から12月14日まで放送されたWOWOWの連続ドラマ『プリズナー』は、全5話からなる作品である。このドラマは、沢井鯨の小説『P.I.P. プリズナー・イン・プノンペン』を原作にしており、サスペンスジャンルに分類される。興味深い点は、原作小説の舞台がカンボジアのプノンペンであるのに対し、本作では架空の小国「セライビア」が舞台となっていることである。

制作背景

本ドラマはWOWOWの連続ドラマWシリーズの第2弾であり、前作は『パンドラ』であった。セライビアでのロケーション撮影にはタイ王国の協力が得られており、異国情緒あふれる背景が作品に深みを与えている。視聴者は、腐敗した警察と賄賂が横行する危険な社会を舞台にしたストーリーを通じて、現実世界の問題を浮き彫りにすることができる。

あらすじ

物語は、職を失った井沢圭吾が主人公である。彼は大学時代の先輩である譲原の助けを求め、東南アジアに位置するセライビアを訪れる。しかしこの国は、警察が賄賂によって動くほどに腐敗した異常な社会であった。井沢が譲原の助けを頼ると、彼は孤児院を経営しており、井沢はすぐに彼のもとに向かう。

ある日、譲原はジョイという男に騙されてしまい、貴重な資金を失ってしまう。井沢はこの不正を抗議しようとするが、ジョイは警察に賄賂を渡しており、井沢は不当にも逮捕される。ここで大使の宇部肇が登場するが、彼の助けを得ることは困難であり、彼もまたこの国の腐敗したシステムの中で無力であることが明らかになる。

さらに、警察署長であり刑務所長でもあるビッグ・ボスは、井沢から金をむしり取ろうとするが、受刑者の男ポンにも騙される。ここで井沢は、受刑者のボスであるオクスーンに認められることが必要となり、彼と関わることで物語は複雑さを増していく。

キャスト

主なキャストには、井沢圭吾役の玉山鉄二、ポン役の大森南朋、譲原卓也役の中村俊介がいる。また、大使の宇部役には小日向文世が、ジョイ役にはジョン・カミナリがキャスティングされ、キャラクターそれぞれが個性的な演技を見せる。

音楽と放送情報

音楽は澤野弘之が担当し、エンディングテーマにはWISEの「Unchain my heart feat.May J.|May_J.」が起用されている。このドラマは、日曜22:00から23:00に本放送され、再放送は同日の11:00から12:00まで放送された。初回は無料で視聴することができ、多くの視聴者に支持された。

『プリズナー』は、その緊迫したストーリー展開や魅力的なキャスト、リアルな社会問題を描き出すことで、観る者に深い印象を残す作品である。

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