ペルシュロン

ペルシュロン (Percheron)

ペルシュロンは、主にフランス・ノルマンディーを原産地とする重種馬で、8世紀にその起源が遡ります。この馬種は、古代のウマイヤ朝から持ち込まれたアラブ種やバルブ種の血を引き継いでいると言われています。ペルシュロンの毛色には、通常は青毛や芦毛が見られ、体型は一般的なサラブレッドに見られるものよりも足が短く、胴ががっしりとしています。

その体高は160センチから170センチメートルとされ、大型のものでは2メートルを超えることもあります。また、体重は約1トンに達し、サラブレッドの倍近い重さを持つこともあります。そんな体格と共に、性格はおとなしく、やや鈍重ですが、力強さは際立っています。

ペルシュロンはその持ち前の力強さを活かして、主に馬車や挽馬として利用されており、ホースショーや競技会でもその姿を見ることができます。歴史的には、軍馬としても重装騎兵の乗馬や大砲の牽引に用いられた経緯があります。そのため、ペルシュロンは頑丈でありながら、重要な運搬・移動の手段としても重宝されてきました。

日本では、特に開拓期以降の北海道でペルシュロンが導入されました。在来馬の改良のために軍用馬としての生産に利用され、その影響は現在のばんえい競馬にも見受けられます。特に、初めて1億円を超える賞金を獲得したばんえい競走馬キンタローも、ペルシュロンの系譜に影響を受けています。

ペルシュロンは現在でも、森林での木材の搬出や馬車のけん引、さらには乗馬やその競技大会において活躍しています。ディズニーランドのパレードでもこの馬種が長らく使用されており、その存在感は多くの人々に親しまれています。また、サラブレッドとの交配を通じて、より重い狩猟馬が生産されることもあります。

特筆すべきは、この品種の中で記録が残る最大の馬が存在することです。その馬はドクトゥール・ル･ジェア (Dr Le Gear) という牡馬で、体高が7フィート（約211センチメートル）、体重はなんと1,370キログラムに達しました。このように、ペルシュロンはサイズと力強さの両方を兼ね備えた馬種として、その存在は古今ともに特異なものとなっています。

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