ホンダワラ

ホンダワラ

ホンダワラ（馬尾藻、神馬藻、学名：Sargassum fulvellum）は、褐藻綱ホンダワラ科に属する海藻の一種です。同じ科には、ヒジキやアカモクなどが含まれます。古くは「なのりそ（莫告藻）」とも呼ばれていました。

形態と生態

ホンダワラは、海藻の中でも特に複雑な形態を持つことで知られています。体は付着器、茎、主枝、葉、気胞などに分かれており、それぞれが異なる役割を担っています。柔軟な質感で、葉は披針形をしており、切れ込みがあるのが特徴です。また、楕円形や倒卵形の気泡を持つことで、海中で浮力を得て、流れ藻として生活します。

利用

ホンダワラは、古くから人々の生活に利用されてきました。肥料や飾り物としての利用のほか、食用としても用いられてきました。日本では、酢の物や味噌汁の具材として親しまれています。また、丹後地方では「ジンバ」と呼ばれ、地域によっては、ブダイやクロダイなどの釣り餌としても利用されています。

研究

近年、ホンダワラはバイオマスエタノールの原料としての可能性が注目されています。この研究が進めば、燃料使用による二酸化炭素排出量の削減に貢献できるだけでなく、富栄養化した海洋の浄化にも役立つと期待されています。また、ホンダワラは食用海藻でありながら、サトウキビやトウモロコシなど、陸上の農地を必要とする作物と競合しないため、食糧生産との両立にも有効と考えられています。同様の目的で、アオサもバイオマスエタノールの原料として研究が進められています。

文学

ホンダワラの古称である「なのりそ」は、和歌の世界で「名」や「名告る」に関連する序詞として用いられてきました。このことからも、古くから日本人の生活や文化に深く根付いていたことが伺えます。

脚注

関連情報については以下もご参照ください。

サルガッソ海
ヒジキ

もう一度検索