ホールインワン

ホールインワンとは

ホールインワン（hole-in-one）とは、ゴルフ競技において、ティーショットで打ったボールが1打で直接カップに入ることを指します。英語圏では「エース（ace）」とも呼ばれます。この偉業は、ゴルフの腕前だけでなく、運も大きく左右すると言われています。

ホールインワンの概要

ゴルフのルール上、ホールインワンも通常のカップインと同様に扱われます。特にパー3（規定打数3回）のショートホールで達成されることが多いですが、パー4のミドルホールでのホールインワンは「アルバトロス」、パー5のロングホールでのホールインワンは「コンドル」と呼ばれ、非常に珍しい記録です。これらの記録は、ホールの形状、風向き、プレーヤーの技量など、様々な条件が重なった場合にのみ生まれます。

ホールインワンには、ボールが芝生にバウンドせずに直接カップインする場合と、ピンに当たってからカップインする場合があります。いずれにしても、その瞬間の達成感は格別です。

著名な記録

数々のホールインワン記録の中でも、特に注目すべきものを以下にまとめました。

公認記録
回数: ノーマン・マンリーが59回を記録しています。
最も長いコース: マイケル・J・クリーンがパー5の517ヤードで達成。過去にはロバート・ミテラがパー4の447ヤードで達成した記録がありました。
最年少: マット・ドレイパーが5歳212日で達成。
最高齢: ガス・アンドレオンが103歳で達成。
全盲者: シーラ・ドラムンドが53歳で達成。
日本初: 1906年、神戸・六甲山ゴルフコースでの記録。

非公認記録
* 最年少: ジェイク・ペーンが3歳で練習コースの66ヤードで達成（非公認記録）。

これらの記録は、ホールインワンが年齢やハンディキャップに関わらず、誰にでも達成可能な偉業であることを示しています。

ホールインワンと祝儀

日本では、ホールインワンを達成すると、かつてはキャディへのチップ、コースへの記念植樹、コンペ参加者への記念品贈呈や祝宴などを行う習慣がありました。これらの費用は数十万円から100万円近くに及ぶこともあり、大きな負担となっていました。しかし、近年ではこのような大規模な祝宴は減少し、贈答品程度で済ませるのが一般的です。

このため、保険会社は1982年に「ゴルファー保険」を発売しました。この保険は、プレー中の事故だけでなく、ホールインワンに伴う出費もカバーするため、「ホールインワン保険」とも呼ばれています。

ゴルフ評論家の風間十郎氏によると、日本でホールインワンの祝宴が始まったのは、1950年代のゴルフブームの頃からです。それ以前は、手ぬぐいを親しい友人に配る程度でした。一方、海外では、ホールインワンを達成した人が祝宴を開く習慣はほとんどありません。

ホールインワン賞

プロの大会では、ホールインワンを達成した選手に、スポンサーから賞金や賞品が贈られることがあります。これは「ホールインワン賞」と呼ばれます。日本のプロトーナメントでは、ホールインワン賞が設定されていることが多いですが、海外でも、マスターズ・トーナメントでクリスタル製のボウルが贈られたり、欧州ツアーでは高級車や宇宙旅行が賞品になることがあります。

2014年のドバイ・デザート・クラシックでは、25周年記念として、17番ホール（パー4）のホールインワン賞に250万米ドルが設定されました。

まとめ

ホールインワンは、ゴルフにおける究極の目標の一つです。その達成は、プレーヤーにとって忘れられない瞬間となり、ゴルフの歴史に刻まれる偉業となります。ホールインワンの記録、祝賀文化、そして賞の存在は、ゴルフの魅力をさらに深める要素と言えるでしょう。

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