ボディアート

ボディアートとは

ボディアート（Body art）は、人体を媒体とした芸術の形式で、さまざまな表現が含まれます。具体的には、身体の表面に描くアート、身体の加工・改造、または身体そのものを表現手段とするものです。このような芸術は、古代から現代にかけて、人々の文化や信仰に深く根付いてきました。

ボディアートの歴史

ボディアートの範疇には、ハプニングアートのように肉体を使ったパフォーマンスや、タトゥー、ボディピアシング、インプラントといった身体装飾も含まれます。他にもスカリフィケーションやブランディング、スカルペリング、シェーピングといった過激な身体改造もあります。これらは主に、装飾や美化のために行われ、多くの民族が古代から実践してきました。特に西洋においては、ボディアートはしばしばパフォーマンスアートの一部と見なされています。

パフォーマンスアートとしてのボディアート

ボディアートにおいて、作家は自らの身体や他者の身体を使用し、ボディペインティングや改造を行います。また、肉体を酷使したパフォーマンスも行われます。時には、極端な加虐行為を伴う作品も存在します。例えば、アーティストのデニス・オッペンハイムは、開いた本を胸に乗せたまま日光浴をし、皮膚が焼けるのを待つというパフォーマンスを行いました。また、マリーナ・アブラモヴィッチの作品では、観客が彼女の身体に72通りの行為を施すという過激なパフォーマンスがありました。このようにボディアートは、身体に対する探求や表現方法の一つとして、多様なアプローチを持っています。

現代のボディアート

2010年代後半になると、医学や情報技術の進歩により、身体に対する考え方が大きく変わりました。この流れの中で、身体がテーマになる美術作品も増加しています。具体的には、人体への異物のインプラントや、機械と身体の共生、さらにはサイボーグやトランスヒューマニズムといった概念が取り上げられるようになりました。これらは従来のボディアートの枠にとどまらない新たな表現手段となっています。

法的規制と資格

なお、ボディアートの一環として顔にフェイスペイントを行う場合には美容師免許が必要です。これは美容師法に基づくもので、美容を業とする者は厚生労働大臣の免許を取得しなければなりません。資格を有しない者がこのような業務を行うことは法律で禁じられています。

ボディアート