ボラギノール

ボラギノールは、ロート製薬株式会社の関連企業である天藤製薬株式会社が製造および販売を行っている、痔の治療に用いられる医薬品の主要ブランドです。

このブランドの歴史は古く、大正時代に遡ります。具体的には1921年（大正10年）10月11日、天藤薬化学研究所の設立と同時に、「ボラギノール」として市場に登場しました。発売当初から痔疾用薬として、多くの人々に利用されてきました。

製品ラインナップは多岐にわたります。症状や使用部位に応じて選べるよう、坐薬、軟膏薬、患部に直接注入できる注入軟膏薬、そして体内から作用する顆粒状の内服薬といった様々な剤形がシリーズとして展開されています。現在の主な製品としては、ステロイド成分を配合し強い抗炎症作用を持つ「ボラギノールA」（指定第2類医薬品）や、非ステロイド性で生薬由来の甘草成分による抗炎症作用を特徴とする「ボラギノールM」（第2類医薬品）、そして生薬を主成分とする顆粒状の内服薬「内服ボラギノールEP」（第2類医薬品）などがあります。過去には「強力ボラギノール」や「ハイボラギノール」といった名称の製品も存在しており、時代の変化と共にラインナップが見直されてきたことがうかがえます。

ボラギノールブランドの販売元は、その長い歴史の中で変遷をたどっています。長らく武田薬品工業株式会社が販売を担っていましたが、2017年（平成29年）4月1日には武田コンシューマーヘルスケア株式会社（後にアリナミン製薬株式会社へ社名変更）へと移管されました。武田グループ傘下にあった2021年3月31日までは、テレビCMの末尾に販売元として同社の社名が表示されていましたが、翌日からのアリナミン製薬への社名変更後はクレジット表示がなくなりました。さらにその後、2023年（令和5年）4月1日からは、製造元である天藤製薬株式会社が販売も直接手掛ける体制に変更されています。

「ボラギノール」という特徴的な名称は、植物学上の分類群であるムラサキ科を示す「Boraginaceae（ボラギナセアエ）」に由来するとされています。これは、製品が発売された当初、原料としてこの科に属する植物である紫根（シコン）が使用されていたことに関連しています。

広告活動においては、親しみやすいCMが広く知られています。特にCMに使用されているジングル（CMソング）は印象深く、その作曲は丸山雅仁氏が手掛けています。

このブランドに関連する企業や事柄としては、製造販売元である天藤製薬、関連会社のロート製薬、過去の販売元である武田薬品、アリナミン製薬、医薬品の分類である一般用医薬品、そしてCM出演などで知られるタレントの池乃めだか氏などが挙げられます。

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