マススタート

マススタート

マススタートとは、選手が同時にスタートする競技形式で、主に陸上競技や自転車ロードレース、スピードスケート、クロスカントリースキー、さらにはバイアスロンなど、多様なスポーツで用いられています。この形式における「マス」という言葉は、集団や多人数を意味し、選手が一斉にスタートする様子を示しています。

歴史

マススタートは、2015年にスピードスケートの世界距離別選手権で初めて採用され、その後2018年の平昌オリンピックにおいて、オリンピックの正式種目としても採用されました。この採用により、競技のルールや戦略が確立され、観客にも新しい興奮を提供しました。

ルール

マススタートでは、約20名の選手が同時にスタートし、400メートルのコースを男女問わず16周走ります。レース中の特定の周回（4・8・12周目）で、上位3選手はポイントを獲得し、最終的にゴール時に上位6選手が設定されたポイントを基に順位が決まります。これにより、選手間での競争が生まれ、戦略が重要となります。

1周目は、スタート直後の転倒を防ぐために、選手は集団で走行しなければなりません。加速は禁止され、違反することで失格となる可能性があります。2周目以降は自由に加速することができるため、選手たちの戦略が試されます。また、全選手は安全のためにヘルメットとグローブを着用します。

戦略

マススタートは個人種目でありながらも、同じチームの選手同士で協力することが奨励されています。例えば、一部の選手は敢えてレースの序盤に後続を引き離し、ポイント獲得を目指すことがあります。この戦略は、順位を争うのが難しい選手にとって有効です。平昌オリンピックの女子マススタートでは、エストニアの選手がこの方法で4位入賞を果たしました。

さらに、同一国やチーム選手が集団を作って滑走し、後続選手の空気抵抗を減らすことで、最終的な順位改善を狙うことも可能です。この形式は、チームパシュートやショートトラックの知識や経験が活かされ、特に中長距離に強い選手が出場します。

平昌オリンピックでは、チームパシュートで金メダルを獲得した髙木菜那選手が女子マススタートでも金メダルを取得し、その実力を証明しました。男子マススタートではショートトラックから転向した選手たちが優れた成績を収めており、このような選手が競技の発展に寄与しています。

まとめ

マススタートは競技のダイナミズムと戦略が求められる形式であり、選手同士の協力や個々の戦略が結果に大きく影響します。今後の大会でも新たな戦術や選手たちの活躍に注目が集まることでしょう。

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