ミクロマン

ミクロマン：1974～1980年シリーズ徹底解説

1974年から1980年にかけて、タカラ（現タカラトミー）から発売された可動式フィギュア『ミクロマン』。全身14カ所の可動ポイントを持つ、約10cmの小型フィギュアとその関連商品群は、子供たちの間で爆発的な人気を博しました。本記事では、この時代のミクロマンシリーズを徹底的に解説します。

ミクロマンの世界観

ミクロマンは、高度な科学文明を持つ星「ミクロアース」から来た宇宙人という設定です。ミクロアースは謎の大爆発で消滅しましたが、ミクロマンたちは水晶体の中で眠り続け、やがて地球にたどり着きました。地球で新たなユートピアを建設しようと奮闘するミクロマンたちと、様々な敵との戦いが、商品に同梱された小冊子や、講談社『テレビマガジン』などの雑誌連載漫画で描かれていました。

初期の設定では、ミクロ星人の科学技術と理想社会が強調され、未知の元素「αH7」による母星の崩壊と、それに伴うミクロマンたちの小型化が物語の中心でした。しかし、シリーズが続くにつれて設定は徐々に変化し、基本設定やディティールは時代と共に少しずつ変化していきました。雑誌展開された漫画においても、それぞれ異なる設定でストーリーが語られていました。

主要商品群：ミクロマンたちの多様な姿

ミクロマンシリーズは、単なるフィギュアにとどまらず、様々なバリエーションと関連商品が展開されました。

M10Xシリーズ

初期シリーズ。クリアカラーのボディに、光子エネルギーをチャージ可能な「ミクロブレスト」が特徴です。ミクロブレスト装着で超人の能力を得るという設定でした。4体のメンバーは、ボディカラーとミクロブレストのデザインで識別され、販売形態もブリスターパックからカプセル入りへと変化していきました。

M11X、M12Xシリーズ

ミクロブレストが廃止され、よりメカニックなデザインになりました。M12Xシリーズでは、当時流行していたパンタロン風の脛パーツが特徴です。

スーパーミクロマンシリーズ

ダイキャスト製のボディを持つ、高級感のあるシリーズです。M20Xシリーズはロングブーツ、M21Xシリーズは飛行能力、M22Xシリーズはハンドバズーカといった独自の特徴を持っていました。

タイタンシリーズ

磁石を用いたユニークな構造が特徴です。関節に磁石を使用することで、自由度の高いポージングが可能でした。ギリシャ神話や星座にちなんだ名前が付けられていました。

スパイマジシャン

諜報部員という設定のミクロマン。メッキのスティックやブレスレットが付属していました。

ミクロマンコマンドシリーズ

古代遺跡をモチーフとしたカプセルと、蓄光素材を使った装備が特徴です。飛行能力を持つという設定でした。

ミクロフードマン

ミクロ星崩壊前に恒星探査に出ていたミクロ星人。生命維持用のフードを被っているのが特徴でした。

ポリスキーパー、ミクロナイト

ポリスキーパーは「パルサーショット」という武器を持つ警察官、ミクロナイトは彼をサポートするロボットです。

レスキュー隊員シリーズ

災害や敵からの救助活動を行う隊員たち。パルサーショットを装備し、シリーズを通して様々なビークルと基地が登場しました。

ミクロマンブリザード、ミクロマンパンチ

シリーズ終盤に登場した、ギミック重視のシリーズ。ブリザードはバイブレーション機能、パンチはスプリングによるパンチアクションが特徴でした。

アクロイヤー

ミクロマンの敵。公害をテーマにした設定で、汚染されたカプセルから復活したミクロ星人という設定です。様々なメカと連携してミクロマンと戦いました。

デスマルク

ミクロマンシリーズ最終の敵。星間帝王デスキングの手下という設定です。

関連商品：ビークルと基地

ミクロマンシリーズには、様々なビークルや基地も展開されました。ミクロマンを乗せて遊ぶことができる乗り物から、基地を建設し、様々なギミックを搭載した基地まで、遊びの幅を広げる多彩なアイテムが数多く存在しました。初期のミクロマシンから、電動ギミック搭載のメカコスモ、そしてレスキュー隊員シリーズのビルドマシーンや、アクロイヤー側のメカなど、シリーズを通して様々なメカが登場しました。

その他

ミクロマンはテレビアニメ化されませんでしたが、毎シーズンTVCMが制作・放映されました。また、『テレビマガジン』、『小学二年生』、『冒険王』などで漫画が連載され、ファンクラブも結成されるなど、子供たちを熱狂させる一大ブームとなりました。海外でも展開され、米国では「MICRONAUTS」として人気を博しました。1980年代にはニューミクロマンへと移行し、1990年代以降は復刻版や新シリーズが展開されています。また、コンピューターゲームにもなった作品です。

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