ミサイル艦

ミサイル艦

概要

ミサイル艦とは、ミサイルを装備した艦船を指す総称ですが、多くの国ではこの艦種が正式に存在するわけではありません。つまり、艦船の仕様としてミサイルが搭載されていることを示す用語として使われています。しかし、ソビエト連邦海軍のように特定の艦種として小型ミサイル艦や大型ミサイル艦を制定している国も存在します。また、特に小型のミサイル艦をミサイル艇と呼ぶこともありながら、それらの艦は別の艦種として扱われています。

各国のミサイル艦の特徴

ソビエト連邦のミサイル艦

ソビエト連邦は1950年代に小型ミサイル艦を導入しました。これらの艦は、上位艦種としての役割を持ち、4基の中射程艦対艦ミサイル発射装置を装備した大型ミサイル艇に対し、6基から8基の発射装置を搭載できるように設計されました。この代表的な艦種には、1234「オーヴォト」設計の小型ミサイル艦があります。さらに、従来型の艦隊水雷艇がミサイル艦に改修され、大型ミサイル艦として分類されるようになりました。これらは艦対艦ミサイルを搭載し、敵艦隊の護衛艦を攻撃する役割を担っていました。

しかし、大型ミサイル艦が艦対艦ミサイルを搭載した大型対潜艦に改修されるなど、意義が薄れていく過程がありました。冷戦期には、アメリカ海軍の航空母艦に対抗する手段として、コストパフォーマンスに優れたミサイルを用いた攻撃力に注目した背景が存在します。

ロシア連邦

ソ連の崩壊後、ロシア連邦では初期にミサイル艦の建造計画が停滞していました。しかし、2010年から新しい小型ミサイル艦「ブーヤンM型」の建造を開始し、2014年にはその1番艦が就役しています。この艦は、従来の小型砲艦からの発展形として位置づけられています。

ポーランド

ポーランド海軍では、ソ連製の大型ミサイル艇を独自に「小型ミサイル艦（ポーランド語: Mały okręt rakietowy）」として運用していました。現代のポーランドでも660設計の艦を小型ミサイル艦として分類していますが、これはソ連の小型ミサイル艦とは異なり、実際には大型ミサイル艇に相当します。

結論

ミサイル艦は、その国の海軍の戦略や技術、歴史に深く根ざした存在です。各国はそのニーズに応じて異なる型式や能力を有するミサイル艦を保有しており、艦船業界における多様性が感じられます。これからも各国のミサイル艦の進化が注目されるでしょう。

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