ミハエル・ミキッチ

ミハエル・ミキッチ：クロアチアが生んだユーティリティプレーヤー

ミハエル・ミキッチ（Mihael Mikić、1980年1月6日 - ）は、クロアチア・ザグレブ出身の元プロサッカー選手です。主にサイドのポジションで活躍しましたが、そのユーティリティ性で、攻撃的ミッドフィルダーやストライカーとしてもプレーしました。

欧州でのキャリア

7歳でサッカーを始め、NKインケル・ザプレシッチ（現NKインテル・ザプレシッチ）でプロキャリアをスタート。その後、名門クロアチア・ザグレブ（現ディナモ・ザグレブ）へ移籍し、19歳でレギュラーの座を掴みます。そのスピード溢れるプレースタイルから、「クロアチアのマイケル・オーウェン」と称され、将来を嘱望されました。

18歳でUEFAチャンピオンズリーグに出場。FCポルト戦ではクラブのチャンピオンズリーグ初ゴールを記録しました。しかし、外国人FWの加入により出場機会が減少し、血液の病気にも苦しむなど、不遇の時期を過ごします。

転機となったのは、オズワルド・アルディレス監督との出会いです。監督はミキッチのスピードに着目し、サイドプレーヤーへの転向を打診。当初は反発したものの、この転向がミキッチのサッカー人生を大きく変えることになります。

その後、ドイツ・ブンデスリーガの1.FCカイザースラウテルンへ移籍しますが、2年間で目立った活躍はできず、クロアチアのHNKリエカを経て、古巣ディナモ・ザグレブへ復帰しました。

Jリーグでの活躍

2009年、ミキッチはJリーグのサンフレッチェ広島へ完全移籍します。すぐに右サイドのレギュラーに定着し、チームの攻撃を活性化。2012年、2013年、2015年のJ1リーグ優勝に大きく貢献しました。

在籍6年目には、広島の外国人選手として史上最長在籍記録を更新。2017年に広島を退団後、湘南ベルマーレへ移籍し、Jリーグカップ優勝を経験しました。

2019年、現役引退を発表。J1リーグ通算227試合8ゴールの成績を残しました。

代表でのキャリア

U-19クロアチア代表としてUEFA U-19欧州選手権に出場。その後、U-20代表、U-21代表としても活躍しました。

人物像

現在はサイドプレイヤーとしてのイメージが強いですが、ストライカーや攻撃的MFとしての経験も持ちます。妻はクロアチア出身のファッションモデル、リュプカ・ゴイッチさんです。引退後は、母国ザグレブでカフェを経営しています。

ミハエル・ミキッチは、その豊富な経験と高い戦術理解度で、様々なポジションをこなせる貴重な選手でした。Jリーグでは、サンフレッチェ広島の黄金期を支え、多くのファンに愛されました。彼の献身的なプレーと明るい人柄は、多くの人々の記憶に残るでしょう。

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