ミラノサローネ

ミラノサローネ：世界最大の家具見本市

ミラノサローネ（Salone Internazionale del Mobile di Milano）は、毎年4月にイタリアのミラノで開催される、世界最大級の家具見本市です。単なる家具の展示会にとどまらず、インダストリアルデザイン、インテリアデザイン、テキスタイルデザインなど、デザインに関するあらゆる分野の最新トレンドが集結する場として、世界中の関係者から注目されています。

ミラノサローネの構成

ミラノサローネは、フィエラ・ミラノという巨大な見本市会場を舞台に、以下の見本市が同時期に開催されます。

サローネ国際家具見本市: 最新の家具デザインが集結
サローネ国際インテリア小物見本市: インテリアを彩る小物に特化
エウロルーチェ（奇数年開催）: 照明器具の最新トレンドを発信
Workplace 3.0（奇数年開催）: オフィス家具に焦点を当てる
エウロクチーナ（偶数年開催）: 最新のキッチンデザインを紹介
サローネバーニョ（偶数年開催）: バスルーム関連のデザインが集まる

フオーリサローネとは

ミラノ市内各所では、フオーリサローネと呼ばれる展示会が同時開催されます。これは、ミラノサローネの出展料や規約に縛られない中小企業やデザイナーが、独自の展示を行う場です。自動車、ファッション、ITなど、様々な分野の企業がブランドイメージ向上を目指し、フオーリサローネに参加しています。

ミラノデザインウィーク

ミラノサローネ、関係見本市、そしてフオーリサローネ、これらの展示会群を総称して「ミラノデザインウィーク」と呼びます。この期間中、ミラノの街全体がデザインに染まり、世界中からデザイン関係者が集まる一大イベントとなります。

ミラノサローネの歴史

ミラノサローネは1961年、イタリア製家具の見本市としてスタートしました。第二次世界大戦後の復興期、ヨーロッパでは家庭用家具の需要が急増。ドイツの見本市が成功を収めたのを受け、イタリアでも家具見本市の必要性が高まりました。

中小企業が中心だったイタリアの家具業界をまとめ、情報交換や輸出促進を図るため、COSMIT（イタリア家具見本市組織委員会）が設立され、1961年に第一回ミラノサローネが開催されました。当初328社が参加し、12,100人の来場者を集めました。

1967年には国際家具見本市となり、海外企業の参加も始まりました。1991年からは毎年開催となり、規模を拡大し続け、ケルン国際家具見本市を凌ぐ世界最大の家具・デザイン展示会へと成長しました。

2005年からは、新展示会場フィエラ・ミラノに会場を移転。近年では2,500社が出展し、35歳以下の若手デザイナーを対象とした「サローネサテリテ」には、世界各国から選ばれた700組が参加しています。来場者数は150か国以上から27万人に達し、2018年には434,509人を記録しました。

世界への広がり

ミラノサローネは、その成功を受けて、2005年からはモスクワで、2016年からは上海でも開催されるようになり、世界的なデザインイベントとしての地位を確立しています。

ミラノサローネは、単なる家具の展示会ではなく、デザインの未来を दिशा付ける重要なイベントとして、今後もその影響力を拡大していくでしょう。

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