ミレービスケット

ミレービスケットは、東海地方と高知県で製造・販売されている人気の揚げ菓子です。特に高知県では「ソウルフード」として広く親しまれています。

ミレービスケットの概要

ミレービスケットは、直径が10円玉程度の小さなビスケットを油で揚げたものです。ビスケット生地は、名古屋市の三ツ矢製菓が製造しており、複数の販売会社がそれぞれのレシピで加工・販売しています。中には「ミレーフライ」という名称で販売している会社もあります。

ミレービスケットの歴史

ミレービスケットのルーツは明治製菓（現在の明治）にあります。明治製菓が開発・販売していましたが、当初は売れ行きが伸び悩んだため、各地の業者が二次加工と販売を請け負うようになりました。1967年（昭和42年）に、三ツ矢製菓が明治製菓からビスケット生地の製造業務を引き継ぎました。

ビスケット生地の「ミレー」の商標権は現在も明治が所有しており、三ツ矢製菓はライセンス料を支払っています。

生産と販売

三ツ矢製菓で製造されたビスケット生地は、全国の販売会社に送られ、各社が油で揚げるなどの加工を施します。そのため、ミレービスケットの風味は販売会社ごとに異なります。

2018年の情報では、主な販売会社は以下の通りです。

平野製菓（愛知県）
渡由製菓（愛知県）- 「ワタヨシ製菓」とも表記され、「ミレーフライ」の名称を使用
伊藤製菓（愛知県）
菊花堂（岐阜県）
東海農産（静岡県）
野村煎豆加工店（高知県）

これらの会社のうち、5社が東海地方の会社です。しかし、高知県の野村煎豆加工店の販売量が特に多くなっています。東海地方では、「ミレーフライ」の名称で販売している会社もあります。

三ツ矢製菓は、ビスケット生地とほぼ同じ材料で、スティックタイプのビスケット「ビスくん」も製造・販売しています。これは1970年（昭和45年）から販売されており、名古屋の定番菓子として親しまれています。

高知県のミレービスケット

高知県では、野村煎豆加工店が「ミレービスケット」の名称で加工・販売しています。同社は、高知県香美市出身の漫画家、やなせたかし氏がデザインしたキャラクター「ミレーちゃん」を起用しています。

野村煎豆加工店がミレービスケットの加工・販売を始めたのは1955年（昭和30年）頃です。当初は明治製菓からビスケットを仕入れて加工・販売していました。元々豆菓子加工を行っていた会社であるため、豆を揚げるのと同じ鍋でビスケットを揚げており、独特の風味が特徴です。

高知県内では、スーパーやコンビニエンスストアで広く販売されており、県民に親しまれています。「高知県を代表する菓子」、「高知県民のソウルフード」と評されることもあります。

近年では、お土産品としての人気に加え、県外への販売も積極的に行われており、テレビ番組やご当地グルメブームの影響で、全国的に知られるようになりました。

また、様々な味付けのミレービスケットや、ノンフライタイプ、大容量タイプなど、多様な商品が開発されています。県内企業とのコラボレーションも盛んで、ミレーサンドやミレービスケットアイスなどの商品も登場しています。首都圏でも、高知県のアンテナショップなどで購入できます。

その他

「ミレー」という名称の由来は明確にはわかっていません。ビスケット生地には「MIRE」と刻印されています。

ミレービスケットは、長年にわたり多くの人々に愛され続けている、懐かしい味わいのお菓子です。

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