メドレー

メドレーについて

メドレー（medley）とは、主にポピュラー音楽において、2曲以上をつなげて演奏する技法を指します。この形式においては、歌唱が含まれているかどうかは特に重要ではありません。メドレーは、時に異なる楽曲が一つにまとまることで、リスナーに新しい体験を提供します。

語源および別名

「メドレー」という言葉は、ラテン語の「misceo」に由来し、意味は「混ぜる」ということです。このため、メドレーは「混成曲」や「接続曲」と訳されることもあります。また、音楽の他にも使われる用語として、イタリア語の「pasticcio（パスティッチョ）」や「pastiche（パスチーシュ）」があります。これらは、小麦粉をこねることに喩えられた言葉です。このように、料理や食材の混合をイメージさせるような表現が多いのが特徴です。さらに、フランス語の「potpourri（ポプリ）」もメドレーを指すことがあります。これは様々な材料を混ざらせた煮込み料理を指します。

メドレーに類似する形式

組曲とメドレーは異なる特性を持つ形式です。組曲は、初めから一つの作品として創り出された異なるパーツや曲をまとめたものです。一方、メドレーは本来ばらばらの曲を結びつけて演奏するスタイルです。このため、聴く側にとっては構造的な違いがあります。

メドレーの代表的な例

メドレーは特にライブ演奏でよく使用されてきました。例えば、ビートルズの1967年にリリースされたアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』には、オープニングの2曲と3曲目のメドレーが見られます。これらは別々に録音されたテープを編集して、巧みに繋げられています。また、アルバム『アビイ・ロード』の後半部分では、5曲と3曲がメドレー形式で連なっている様子が見られ、組曲の要素も取り入れられています。

さらに、メドレーの特性は、曲間をほとんど空けずに続けて演奏することや、一つの曲の終わりの部分を次の曲の始まりに重ねることで感じられます。1976年にポール・マッカートニーのバンド、ウイングスが発表した「ウイングスU.S.A.ライヴ!!」では、冒頭の3曲がメドレーの形で演奏される特別なアレンジが施されています。ここでは、曲の切れ目なく連続することで、より一体感のある表現が生まれています。

メドレーの実践とアーティストの活動

また、クイーンのアルバムにもメドレー形式の作品があるほか、レッド・ツェッペリンも各ライブでの演奏において、曲を続けざまに演奏するスタイルが見受けられました。このように、メドレーは多くのアーティストに取り入れられており、さまざまな作品においてこの手法が活用されています。さらに、ザ・マイクハナサーズなどのグループは、既存の楽曲をメドレーとして再構成し、独自のスタイルを持っています。その代表作が1988年の「わたしたちどうするの？」で、特にヒットも記録しました。

最後に、桑田佳祐をモデルにした「ダサンオールスターズ」が1984年にリリースした「勝手にヒットパレード'84」では、様々なヒット曲を繋げる形で楽しませています。このように、メドレーは音楽の表現方法として非常に多様であり、音楽シーンでの重要な役割を果たしています。

関連するトピック

メドレーに関連する様式には、セグエやDJミックス、リミックス、マッシュアップなどがあります。これらの技法は、音楽制作やパフォーマンスの可能性を広げ、リスナーに新しい体験を提供しているのです。

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