モー。たいへんでした

モー。たいへんでした：モーニング娘。の挑戦と挫折

2001年4月12日から2002年3月14日まで、日本テレビ系列で放送されたバラエティ番組『モー。たいへんでした』。通称『モー。たい』は、国民的アイドルグループ、モーニング娘。にとって初のゴールデンタイム冠番組という記念碑的な作品でした。全28回に及ぶ放送の中で、彼女たちは「日本をハッピーに」というテーマを掲げ、様々な企画に挑戦しました。

番組開始と初期の展開

初回放送は2時間スペシャルとして、初代リーダー中澤裕子の卒業企画と絡めた内容で幕を開けました。深夜番組や過去の特番での成功を踏まえ、ゴールデンタイム進出を果たした『モー。たい』は、当初、モーニング娘。メンバーが中心となり、視聴者投稿コーナーやランキング発表などを織り交ぜた構成でした。しかし、メンバーの多忙さからスケジュールの調整が難航。次第にモーニング娘。とは直接関係のない企画も増えていくことになります。

さらに、放送枠が巨人戦中継と重なることも番組の安定性を脅かす要因となりました。雨傘番組として放送延期が繰り返され、2回目の放送まで1ヶ月以上の空白期間が生じる事態も発生しました。

番組内容と主なコーナー

『モー。たいへんでした』では、モーニング娘。メンバーが政治家へのインタビュー、社会見学、有名人の家事手伝い、グルメレポートなど、多様な企画に挑戦しました。

具体的には、以下のコーナーがありました。

モー。たい報道記者: 政治家へのインタビュー企画。小泉純一郎首相や石原慎太郎東京都知事（当時）、渡邉恒雄読売新聞社長（当時）など、そうそうたるメンバーが登場しました。参院選直前には各党党首へのインタビューも敢行しました。
モー。たい社会見学: 様々な場所を訪れ、仕事の体験や設備紹介を行う企画です。
モー。たいクリーニング: メンバーが有名人の邸宅清掃を行うという、当時としては斬新な企画でした。
モーたい。グルメレポーターへの道: 料理店のメニューを試食するグルメレポート企画です。
押しかけ人生問答: 大物芸能人を訪ね、視聴者からの相談や人生のアドバイスを受ける企画です。
それゆけ!矢口工務店: 矢口真里が視聴者の依頼を受けて、建築業務を手伝う企画です。
瞬間写真ゴングショー: 視聴者から送られた面白い写真やすごい瞬間の写真を紹介する企画です。
モー娘。街頭アンケート: モーニング娘。や芸能界に関する街頭アンケートを行い、その結果を発表する企画です。

番組後期には、ロケ企画の増加や、視聴者からの疑問を実践で検証する企画など、よりバラエティ色が強まりました。

視聴率低迷と番組終了

番組は、視聴率の低迷に苦しみました。特に2002年1月31日放送分では、視聴率20％を達成できなければ番組打ち切り、かつスタッフが坊主頭になるという、視聴率獲得への強い意欲を示す企画を実施しました。しかし、結果は1桁に終わり、番組打ち切りが決定しました。

翌週の放送では、チーフプロデューサーの大澤雅彦氏が坊主頭になって登場。この回はスタッフと日本テレビアナウンサーのみの出演となり、モーニング娘。はVTR出演のみでした。藤井隆や徳光和夫らレギュラー司会者も出演せず、ダイヤルQ2を使った懸賞企画も実施され、批判を招く結果となりました。

最終回は、メンバーと同世代の女性とその父親世代によるトークバトルで幕を閉じました。

スタッフ

番組には、多くのスタッフが携わっていました。構成作家、技術スタッフ、ディレクター、プロデューサーなど、多様な役割を担った人々が『モー。たいへんでした』を作り上げました。

結論

『モー。たいへんでした』は、モーニング娘。にとって初のゴールデンタイム冠番組として、多くの挑戦と試行錯誤を経て放送されました。しかし、視聴率の低迷や様々な要因により、わずか1年で幕を閉じました。この番組は、モーニング娘。のアイドルとしての魅力だけでなく、彼女たちの多様な才能と可能性を示す、貴重な記録と言えるでしょう。また、番組制作における様々な課題や、視聴者とのコミュニケーションの難しさなどを改めて認識させる、一つの事例として学ぶべき点も多く含まれていると言えるでしょう。

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