ユアサ商事

ユアサ商事株式会社

ユアサ商事株式会社は、東京都千代田区に本社を構える、産業機械をはじめ多岐にわたる分野を取り扱う大手専門商社です。

概要と歴史的背景

ユアサ商事のルーツは、1666年（寛文6年）に京都で始まった木炭商に遡ります。これは、日本国内の上場商社の中で最も古い歴史を持ち、2016年には創業350周年を迎えました。

創業者の初代 湯淺庄九郎は、創業から5年後には刃物問屋へと業態を転換し、これがその後の会社の発展の礎となります。1674年（延宝2年）には、江戸（現在の東京都）に進出し、「小刀屋庄九郎」の屋号で商いを拡大しました。

明治時代に入り、1872年（明治5年）には「湯淺七左衛門」の名を冠した商店が、釘や鉄、銅などを扱う東京鉄店を開設。東京における金物商の中でも「御三家」と称されるほどに成長しました。

その後、数度の商号変更を経て、1978年に現在の商号である湯浅商事株式会社となります。この間、東京証券取引所、大阪証券取引所への上場（後に東京に集約）や、1992年にはユアサ産業株式会社との合併などを経て、事業基盤を強化してきました。また、2010年代にはインド、ベトナム、メキシコといった海外にも現地法人を設立するなど、グローバル展開も進めています。

事業領域

現在のユアサ商事は、「工業と建設の複合型専門商社」として、以下の7つの主要部門で事業を展開しています。

産業機器
工業機械
住設・管材・空調
建築・エクステリア
建設機械
エネルギー
その他

これらの分野において、幅広い商品やサービスを提供し、産業や社会のインフラを支えています。

社会への貢献活動（CSR）

ユアサ商事は、「誠実と信用」「進取と創造」「人間尊重」という経営理念を基盤に、持続可能な社会の実現を目指した企業活動を行っています。特に、事業を通じて地球環境の保全と経済成長の両立に貢献することを目指し、工場分野、住環境分野、インフラ・建築分野で様々な取り組みを進めています。

平時だけでなく、災害などの有事にも対応できる「産業とくらし」の強靭化、すなわちレジリエンス向上に力を入れており、環境エネルギーや防災・減災に関する事業提案や啓発活動に注力しています。

具体的な活動としては、以下のようなものがあります。

寄付による支援: シリア難民向けの小学校設立や、バヌアツでのサイクロン被災者支援など、国内外の人道支援プロジェクトへの寄付を行っています。
防災対策商品の開発・普及: 関連会社とともに、新潟中越沖地震や東日本大震災の被災地で多数採用された防災備蓄倉庫の開発や、移動式小型浄水器、蓄電池といった防災・減災に役立つ商品の開発・提供を進めています。
環境改善への参画: 日本貿易会の地球環境委員会に加盟し、地球環境改善に向けた活動に貢献しています。

「レジリエンス」への高い評価

特に、災害など不測の事態にも強い社会インフラや産業基盤の構築を目指す「レジリエンス」への取り組みが高く評価されています。

2015年3月には、平時と有事の両方で機能する「産業とくらしのレジリエンス化」を企業の社会的使命と捉え、サプライチェーン全体でのリスクコミュニケーションを促進するなど、「レジリエントな流通プラットフォーム基盤構築に向けた取組み」が評価され、第1回ジャパン・レジリエンス・アワード（強靭化大賞）において、企業部門の最高位である金賞を受賞しました。これは、社会全体の安全・安心に貢献する企業姿勢が認められたものです。

ユアサ商事は、350年以上にわたる歴史の中で培われた信用と進取の精神を活かし、今後も産業と社会の発展に貢献していくことが期待されています。

関係会社として、国内には国興、ユアサテクノ、ユアサプロマテックなど、また海外にもアメリカ、ドイツ、中国、台湾、インドネシア、マレーシア、インド、フィリピン、タイに子会社を有しており、国内外で事業を展開しています。

（注：ジーエス・ユアサコーポレーションとは歴史的な関連はあるものの、現在は資本関係はありません。）

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