ラサ・アプソ

ラサ・アプソについて

ラサ・アプソ（Lhasa Apso）は、チベットに起源を持つ愛玩犬の一種で、その歴史は800年以上に及びます。チベット語では「アプソ・セン・カイ（Apso Seng Kyi）」と称され、意味は「長い毛の犬」とされます。解説に入る前に、この犬種の名前の由来について少し触れておきましょう。「ラサ」という名称はチベット仏教の聖都であるラサ市から来ており、「アプソ」はヤギを意味する「ラプソ」という言葉が変化してきたものです。

歴史的背景

ラサ・アプソの歴史は非常に深く、主にチベットのラサ市とその周辺で、寺院や家庭において繁殖されてきました。この犬種は、聴覚が優れているため、来訪者の足音をすぐに察知し飼い主に警告するなど、貴重な存在でした。また、雪山では雪崩を感知する能力があり、非常に役立ったとされています。

17世紀以降、チベットの活仏であるダライ・ラマは、この犬種を中国の皇帝や皇族に贈り物として献上する習慣を持ち、そのことからラサ・アプソは中国の宮廷にも広がることになりました。その中で、ペキニーズとの交配を経て生まれたのが現在のシーズーとの説もあります。

西洋においてラサ・アプソが広まったのは、特に第二次世界大戦以前であり、アメリカなどで積極的に繁殖が行われるようになりました。これにより、ラサ・アプソの人気は世界各国に広がっていきました。

特徴

ラサ・アプソは非常に特徴的な外見をしており、二種類の毛質で構成されたダブルコートに覆われています。この豊かな毛並みは、頭部から四肢にかけて美しく、様々な毛色が存在します。金色、黒色、砂色、蜜色、暗灰色、褐色、赤色、斑模様など、多彩なカラーバリエーションがあります。

体の特徴としては、マズルの長さが頭蓋の約3分の1に相当し、ストップは中間で、噛み合せは逆シザーズバイトです。鼻は黒く、目の色は暗色で、アーモンド形もオパール色の目があります。また、首は適度な長さで、背中は力強く、胸部は広く深く、筋肉が発達しています。

体高は、オスが約25.4cmから28cmで、メスはそれより少し小さいサイズになります。全体的に、体高より体長が長いのが特徴です。

性格

ラサ・アプソは活発で楽しい性格を持つ一方、知らない人に対しては用心深い傾向があります。しかし、飼い主に対しては非常に忠実で、服従心が強い犬種です。このような性格のため、家庭では愛情深い伴侶として知られています。

まとめ

ラサ・アプソは、その豊かな歴史と独特の外見、そして忠実な性格から、世界中で愛されている犬種です。愛玩犬としてだけでなく、スリムな外見や健気な性格は、多くの人々の心をつかんでいます。

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