リアル彼女

『リアル彼女』は、2010年2月19日にILLUSIONから発売されたアダルトゲームです。本作の最大の特徴は、そのインタラクティブ性にあります。プレイヤーは、新人アイドルの愛、幼馴染の彩、学校の担任である香織の3人の中から1人を選び、恋愛を深めていくことになります。

ゲームシステムには、当時としては画期的だった技術が導入されています。一つは、アナグリフ式の3D映像を再現する「3Dメガネ」機能です。専用のメガネを使用することで、ゲーム内の映像に奥行きが生まれ、より没入感の高い体験が可能になりました。もう一つは、「フェイストラッキング」機能です。これは、Webカメラに写されたプレイヤーの顔の動きをゲームに反映させる技術で、プレイヤーの表情や顔の向きに合わせて、ゲーム内のヒロインが反応します。フェイストラッキング中は、Webカメラから見たプレイヤーの映像がモノクロで画面の隅に小さく表示されます。

2017年2月28日には、本作のコンセプトを受け継いだ『VRカノジョ』が発売され、VR技術を用いたインタラクティブな恋愛ゲームとして、新たなファン層を獲得しました。

評価



『超エロゲー ハードコア』の共同筆者である箭本進一氏は、本作を「インタラクティブ性アップの方向性を、2010年時点の民生技術で突き詰めた作品」と評価しています。マウス操作はクリック系に近いとしながらも、フェイストラッキングを使用すると、まるでヒロインが目の前にいるような感覚を味わえると述べています。また、フェイストラッキング中に表示されるプレイヤー自身の姿が背徳感を演出する一方、その姿を見て現実では同じような行為をしようとは思わないだろうとも語っています。

Hシーンに関しては、デュアルマウスやWebカメラの有無に関わらず、プレイヤーの身体位置が固定されている点や、視線の動き、ヒロインの反応のバリエーションが少ない点を指摘しています。しかし、両手で左右の胸を開いて見せる場面など、インタラクティブ性を感じられる部分もあったと述べています。

ライターの小野坂怜氏は、ASCIIに掲載した本作のベンチマークソフトのスペック検証記事において、推奨環境が高スペックを要求することに衝撃を受けたと述べています。また、一部のビデオカードで胸の物理演算に異常が生じた点や、3Dメガネ機能がマシンに負荷をかける点も指摘しています。

このように、『リアル彼女』は、当時としては斬新な技術とインタラクティブ性を追求した意欲的な作品であり、その後のアダルトゲームに大きな影響を与えたと言えるでしょう。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。