リディーマー

リディーマーとは

リディーマー（英: Redeemers）は、アメリカ合衆国南部で、南北戦争直後のレコンストラクション時代に形成された民主党系の政治的グループです。このグループは、特に保守的で企業に寄り添ったブルボン民主党の一派として知られています。主な目的は、共和党の急進的な政策に反対し、元奴隷の黒人や北部からの移住者（カーペットバッガー）やレコンストラクション政策を支持する南部の白人（スキャラワグ）との連合を打ち破ることでした。

歴史的背景

リディーマーの活動は、1868年から1877年までの「贖罪」と呼ばれる過程中に重要な役割を果たしました。この期間、多くのスキャラワグに対して攻撃を行い、州や地方政府を取り戻すことに成功しました。彼らは競争相手である急進的共和党が、政治的腐敗や共和制の原則を侵害していると主張し、高い税率や州による多額の負債を批判しました。権力を得た後、リディーマーは政府支出の削減や議会の会期短縮、政治家の給与を引き下げ、公的支援の削減を進める政策を採りました。

選挙権を巡る状況は、リディーマーが権力を握る過程で非常に変化しました。1880年代に入っても黒人は一定数の投票を行っていましたが、1890年代までには黒人の下院議員の数は減少し、1901年には最後の南部黒人下院議員であるジョージ・ヘンリー・ホワイトが引退することで、下院は白人のみの会員構成となりました。この時代、リディーマーとブルボン民主党は農民の反乱という試練に直面し、農民同盟や新しい人民党の台頭によって自らの地位が脅かされました。

宗教的側面

「贖罪」という表現は、キリスト教神学から借用されたもので、リディーマーは南部白人の政治改革の願望を示すものとして位置づけました。この概念は、南部社会の清めや共和党の排除を含み、新しい南部社会の誕生を象徴するものでした。南部地域が「バイブル・ベルト」と呼ばれるようになった背景には、白人の奴隷制度に対する先入観からの解放が関連しています。南部の白人は、連邦政府の干渉を拒み、道徳に基づく新しい社会秩序を模索しました。

歴史学的な見解

レコンストラクション後の時代、多くの黒人や元活動家は、この期間が公民権の抑圧に繋がったと考えました。歴史家たちは、レコンストラクションが政治的腐敗や戦争の影響で失敗したと見ており、特にダニング学派の学者たちは、リディーマーによる選挙権の制限がアフリカ系アメリカ人にとっての主要な悪影響であると指摘しています。

一方で、1930年代になってから新たな歴史学派が登場し、レコンストラクションの経済的側面を重視し始めます。彼らは、北部の急進派が南部の共和党を操作し、またリディーマー自身も腐敗していたと批判しました。W・E・B・デュボイスの著作も、この時期に相応の役割を果たしました。

1960年代には、アフリカ系アメリカ人の歴史的役割に注目が集まり、解放された人々の闘争を中心に据えた学問が再評価されました。こうした学術的な再調査は、レコンストラクションの意義を新たな視点から理解する助けとなりました。

もう一度検索