リョナ

リョナとは

リョナとは、他者が物理的な暴力や拷問などの苦痛に晒され、苦悶の表情を浮かべたり、性的なニュアンスの悲鳴を上げたりするシチュエーションを指すインターネットスラングです。また、そのような猟奇的なシチュエーションに対する性的嗜好を指すこともあります。

概要

「リョナ」という単語は、もともと「猟奇作品によるオナニー」を意味する造語「リョナニー」が語源です。この「リョナニー」が略されて「リョナ」となり、そこから「猟奇的な性的シチュエーション」という意味でも使われるようになりました。さらに、そのようなシチュエーションを楽しむフェティシズムを指す場合もあり、サディズムやマゾヒズムに類似するものです。

現在では、「猟奇的作品によるオナニー」を指す場合は「リョナニー」、「猟奇的な性的シチュエーション」や「猟奇的な性的フェティシズム」を指す場合は「リョナ」と表現するのが一般的です。

解説

リョナの要件としては、

被害者が女性であること
性的虐待の要素が少ない、または重要視されないこと

の2点が挙げられます。被害者が男性の場合は「逆レイプ」と同様に「逆リョナ」と表現されることもありますが、加害者の性別は問われず、人間ではない怪物が加害者となる描写も見られます。

サディズムとの違い

リョナを知らない人から見ると、女性に対する加虐行為が重視されているように見えるため、サディズムとの区別が難しい場合があります。しかし、リョナ作品を好む人は、加害者側ではなく被害者側の女性に感情移入していることが多いと言われています（自覚がない場合も含む）。

つまり、リョナ作品の嗜好者は必ずしも虐待願望を持っているわけではなく、「美少女になりたい」という性転換願望と、「残虐な状況に巻き込まれて犠牲者になりたい」という願望が複合したものであると考えられます。

類似するジャンル

リョナと類似するシチュエーションとしては、戦闘美少女や変身ヒロインが敵の攻撃によって身動きが取れなくなったり、一方的に攻撃を受けて窮地に陥る「ヒロピン」（ヒロインピンチの略）があります。

ヒロピンとリョナの間には明確な線引きはありませんが、全身を拘束されたり軽度の流血を伴う程度のものは「微リョナ」や「ソフトリョナ」と呼ばれることが多く、リョナとしては扱われません。危機的状況からの逆転が不可能で、絶望的なシチュエーションに至るものがリョナに分類されます。

語源

「リョナ」というスラングが生まれた時期と経緯は明確になっています。2003年に2ちゃんねるのゲームサロン板に立てられた「【きゃあっ】萌える悲鳴のゲーム【あんっ】」というスレッドが発祥です。このスレッドでは、『バイオハザード』などのホラーゲーム中の描写が主な話題となっていました。

このスレッドの652番目の書き込みで、そのようなシチュエーションで女性が死に至る描写をおかずにオナニーする行為を「猟奇オナニー」と命名することが提案され、その省略形として「リョナニー」を経て「リョナ」と呼ばれるようになりました。

当初は様々な意味で使用されていましたが、現在では「猟奇的作品によるオナニー」を指す場合は「リョナニー」、「猟奇的な性的シチュエーション」や「猟奇的な性的フェティシズム」を指す場合は「リョナ」と表現するのが一般的です。

定義

「猟奇」という語源から、単にグロテスクな描写が対象と解釈されることもありますが、リョナの場合は犠牲者となる女性への感情移入が重視されます。

リョナに該当するシチュエーションとしては、主に以下の2つが挙げられます。

敗北して理不尽な目に遭わされる
通り魔や怪物に襲われて理不尽な目に遭わされる

シチュエーション

リョナに該当するシチュエーションの解釈は人によって様々ですが、以下のようなものが含まれることが多いです。

長期間の監禁・拘束による精神的苦痛
敵に捕らえられ、拷問を受けることによる肉体的・精神的苦痛（自白強要や尋問者のサディズム目的の場合もある）
暴力によって死に至る、または四肢切断などの回復不能な外傷や後遺症が残る
怪物の餌として生きたまま捕食される

ジャンル化

2010年代前半からは、成人向け漫画のキャッチコピーなどで「リョナ」が使われる事例が見られるようになりました。「闘うヒロインオンリー漫画雑誌」を編集方針としていた『コミックヴァルキリー』は、リョナやヒロピンの描写を含む作品を中心に掲載し、掲載作品の惹句でも「リョナ」を多用していました。

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