ルレ・エ・シャトー

ルレ・エ・シャトー：世界が認める極上ホテルとレストランの集まり

1954年、フランスで誕生した「ルレ・エ・シャトー」は、世界中の一流ホテルとレストランで構成される会員組織です。パリとニースを結ぶ国道沿いの8軒のオーベルジュから始まったこの組織は、現在では62ヶ国、約560軒もの加盟施設を誇るまでに成長しました。

その歴史は、当初「レ・ルレ・ド・カンパーニュ（田舎の宿）」という名でスタートしました。その後、「ラ・ルート・デュ・ボヌール（幸福の道）」キャンペーンを展開し、フランス全土へと広がりを見せます。当初8軒だった加盟施設は、1956年には25軒、さらに80軒へと急増。その後、スペイン、オランダ、ドイツ、スイス、オーストリアなど周辺諸国へと拡大し、国際的な組織へと発展していきました。

ルレ・エ・シャトーという名称が定着したのは1974年。それ以前は、ロアンヌのレストランオーナーシェフ、ピエール・トロワグロ氏が中心となり、「ルレ・グルマン」というシェフの集まりが存在しました。その後「ルレ・ド・カンパーニュ」や城スタイルのホテル組織「シャトー・ホテルズ」と合併することで、現在の名称となりました。

ルレ・エ・シャトーへの加盟は容易ではありません。厳しい審査基準をクリアする必要があり、5つのCと呼ばれる要素が評価の軸となっています。

5つのC

1. Courtesy（心のこもったおもてなし）: 温かく、細やかな心配りを大切にするおもてなしの精神。
2. Character（特色や個性のあるスタイル）: 各施設が持つ独自の個性を尊重し、他にはない魅力を備えていること。
3. Cuisine（質の高い料理）: 最高の食材を使い、高い技術と創造性を駆使した、卓越した料理を提供していること。
4. Charm（洗練された魅力あるスペース）: 洗練されたデザインと快適な空間を提供し、滞在客を魅了すること。
5. Calm（落ち着きやリラックスできる場所）: 穏やかでリラックスできる雰囲気を醸し出し、心安らぐ時間を提供すること。

これらの基準を満たした施設のみが加盟を許され、加盟後も3年に一度の覆面調査が行われます。基準を満たせなくなった場合は、加盟資格が取り消されるという厳しい制度も存在します。

世界各地のルレ・エ・シャトー

ルレ・エ・シャトーは世界中に広がり、ヨーロッパ、北アメリカ、ラテンアメリカ、カリブ海、アジア、アフリカ・中東、オセアニアといった地域に加盟施設があります。フランスを始めとするヨーロッパ各国はもちろん、アメリカ合衆国、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、中国、インド、オーストラリア、ニュージーランドなど、多くの国々で、その名を馳せています。

日本のルレ・エ・シャトー

日本においても、多くの高級ホテルやレストランがルレ・エ・シャトーの加盟施設となっています。伝統的な日本旅館から、現代的なホテルまで、様々なタイプの施設があり、日本の豊かな文化と伝統、そして洗練されたおもてなしを世界に発信しています。

ルレ・エ・シャトーは、単なるホテルやレストランの集まりではありません。それは、世界最高峰のホスピタリティと美食体験を求める人々にとって、信頼の証であり、特別な旅の思い出を創造する場所です。

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