レイジングループ

『レイジングループ』：人狼ゲームとミステリーが織りなす、ループする運命

『レイジングループ』は、2015年12月にケムコより配信開始されたスマートフォン向けアドベンチャーゲームです。人狼ゲームの要素を前面に押し出した本作は、その後PlayStation Vita、PlayStation 4|PlayStation_4、Nintendo Switch、Windows、そしてSteamと、複数のプラットフォームでリリースされ、高い人気を誇ります。特に、ドワンゴとのコラボレーションにより実現したフルボイス化は、大きな話題となりました。Steam版では英語表記にも対応し、グローバルな展開も成功を収めています。

物語：繰り返される死と、解き明かされる真実

主人公・房石陽明はバイク旅行中に道に迷い、ひょんなことから藤良村の集落「休水」にたどり着きます。そこで彼は、村の伝統行事である「黄泉忌みの宴」に巻き込まれ、謎の生物に殺されてしまいます。しかし、直後には事故の直前にタイムリープし、状況を繰り返すことに。選択によって運命は変わり、生き延びる道もあるのですが、村の暗い秘密と、繰り返される殺人に彼は翻弄されていきます。

魅力的なキャラクターたち

個性豊かな登場人物たちが物語を彩ります。主人公・房石陽明は一見好青年ですが、サイコパス的な面も持ち合わせています。彼を取り巻く村人たちは、それぞれに秘密や思惑を抱え、複雑な人間関係を形成しています。

芹沢千枝実:明るく社交的な女性で、房石を助けます。
回末李花子:ミステリアスな雰囲気を持つ、四家の末裔。
巻島春:恥ずかしがり屋で、霧に敏感な女子高校生。
織部泰長:聡明な高校生で、村人たちをリードします。
醸田近望:悪戯好きで勘の鋭い高校生。
室匠:農業を営む男性で、伝承に懐疑的な面を持ちます。
織部かおり:村の食堂を切り盛りする女性。
織部義次:反抗期の中学生で、棘のある態度をとりますが、家族思いです。
山脇多恵:村の伝承に詳しい老女。
巻島寛造:春の祖父で、村内での発言力を持つ頑固な狩人。
能里清之介:四家の能里家の次男で、休水の住人に敵対的な態度を取ります。
狼じじい:村で「狼が来るぞ」と騒ぐ老人。
めー子:名前も親もわからない少女。
馬宮久子:B級グルメのライターで、「ししなれ」の取材に訪れます。
橋本雄大:馬宮に同行するカメラマン。
コンビニ店員:房石が出会った店員。

他にも多くのキャラクターが登場し、それぞれの視点から物語が展開していきます。これらのキャラクターたちの関係性、そして隠された真実が、プレイヤーを謎解きの世界へと誘います。

ゲームシステムとサウンド

『レイジングループ』は、選択肢によって物語が変化していくアドベンチャーゲームです。プレイヤーは房石陽明となり、彼の選択によって物語の展開、そして結末が変わります。何度かループすることで、真実へと近づいていきます。

また、ドワンゴクリエイティブスクール所属の声優陣によるフルボイス化（コンシューマー版）は、ゲームの世界観をさらに深めます。オープニングテーマ「キリノネガイ」とエンディングテーマ「Last Acceleration」も、ゲームの雰囲気にぴったりとマッチした楽曲です。

小説やコミックなど、多様なメディアミックス

ゲームの成功を受けて、『レイジングループ』は小説やコミックといった多様なメディアミックス展開も行われています。amphibianによる原作小説は全7巻に渡り、影由によるイラストと共に物語の世界観を広げています。また、複数の漫画家によるアンソロジーコミックも発売され、ゲームとはまた違った魅力を味わえます。

『レイジングループ』は、人狼ゲームを題材にしたミステリアスな物語、魅力的なキャラクター、そして何度も繰り返されるループによって、プレイヤーを最後まで惹きつけて離さない作品です。

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