ロザリー・ラ・モリエール

ロザリー・ラ・モリエールの物語

ロザリー・ラ・モリエール（Rosalie La Morlière）は、1763年ごろに生まれた架空のキャラクターで、池田理代子の代表作『ベルサイユのばら』や『栄光のナポレオン-エロイカ』に登場します。彼女はフランス王妃マリー・アントワネットが囚われていたコンシェルジュリー牢獄で、その世話をしつつ手記を残した女性です。

生い立ち

ロザリーはバロア家の最後の当主であるサン・レミー男爵と、その愛人との間に生まれました。母マルティーヌ・ガブリエルは貴族の娘でありながら結婚には至らず、彼女は異母姉ジャンヌの母であるニコール・ラ・モリエールに引き取られることになりました。父の死後、ロザリーはパリの下町で育てられ、出生の秘密を知らぬまま、家族愛を受けて成長します。

人物と性格

彼女はブロンドの巻き毛と大きな瞳を持つ愛らしい容姿で知られています。自身が貧しい生活を送りながらも、病気の母を献身的に看病し、周囲の人々を助ける優しさを持っています。しかし、過度に他人を助けようとする性格から、時に自らの家庭に問題をもたらすこともありました。少女期の彼女はやや泣き虫でしたが、オスカルとの出会いを通じて成長を遂げ、芯のある大人の女性に変わっていきます。特にオスカルに対して抱く憧れは、同じ女性としての友情を超えた特別な感情に発展しました。

物語の展開

1775年、12歳のロザリーは、経済的困窮から母を助けるために売春を考えます。その過程でオスカルに出会い、同情を受けて金銭的な助けを得ることとなります。母を不慮の事故で失った後、復讐を誓い、ベルサイユに向かうが、思わぬ誤解からオスカルの母を襲撃する事態に。オスカルとの関係が新たに始まり、彼女の生活は次第に変わっていきます。

1789年、オスカルの壮絶な最期を見届け、1793年にはマリー・アントワネットと再会、牢獄で彼女を世話することになります。ロザリーの随行は、彼女自身の運命を大きく変えるものであり、その後のフランス革命での動乱とも密接に絡んでいます。

結婚とその後

ロザリーは義賊ベルナールと再会し、愛を育み結婚します。彼女はフランソワという息子を持ちながらも、政治的な状況に翻弄されていく。ベルナールがナポレオン暗殺の計画を失敗し死亡した後、ロザリーはスウェーデンに亡命。その後、オスカルを忘れられない彼女の思いは、ベルナールとの生活に影を落とすこととなります。

文化的影響

ロザリーは、池田理代子の作品において重要なキャラクターとして、宝塚歌劇やテレビアニメ、ドラマCDなどでも取り上げられ、さまざまなメディアで彼女の物語は描かれています。悲劇的でありながらも愛に満ちた彼女の生涯は、多くの人々に感銘を与え、今なお語り継がれています。

彼女の物語は、革命期のフランスとその社会、不幸にして運命に翻弄された女性たちの姿を表現しており、時代を超えて多くの人に感動を与えるものとなっています。

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