ロシアンブルー

ロシアンブルーの概要

ロシアンブルー（英：Russian Blue、ロシア語：Русская голубая кошка）は、非常に魅力的な猫の品種です。その起源はロシアにあるとされ、独自の歴史を持っています。この猫は、その美しい毛色と性格から多くの愛猫家に親しまれています。

歴史的背景

ロシアンブルーの正確な起源は諸説ありますが、一般的にはロシアの自然発生種であると見なされています。一時期はアルハンゲルキャットと呼ばれ、これはロシアのアルハンゲル島が起源とする説や、アルハンゲリスク港か らイギリスや北欧に持ち込まれたという説に基づいています。また、フォーリンブルーやスパニッシュキャット、マルティーズキャットといった名称でも知られていました。特に、1875年にはイギリスのクリスタル・パレスでキャットショーに参加した際もアークエンジェルキャットとして出展されました。

ロシアンブルーは18世紀中頃にイギリスや北欧に伝わり人気を博しましたが、第二次世界大戦による影響で数が急減し、絶滅の危機に瀕しました。戦後には、イギリスやアメリカのブリーダーがブリティッシュブルーやシャムネコとの交配を行い、再びロシアンブルーを復活させました。この過程により、現在のロシアンブルーは必ずしもロシアが発祥とは限らず、イギリスがその発展に寄与したとも言われています。

外見的特徴

ロシアンブルーの特徴は、短毛種であり、毛色が美しいブルー（グレーの被毛）である点です。また、尻尾にはゴースト・タビー模様が見られることもあります。アイカラーは鮮やかなグリーンで、目はラウンド型、体型はフォーリン・タイプに分類されます。

被毛と毛質

被毛はダブルコートと呼ばれるもので、アンダーコートとトップコートから成ります。この毛皮は非常に厚く、特にアンダーコートは密度が高いため、シャンプーの際には地肌が濡れないほどです。寒さにも強く、毛色が光の加減によって銀色に輝くことが特徴です。スタンダードには淡い毛色が好まれます。

目の色

ロシアンブルーは美しいエメラルドグリーンの目を持っていますが、仔猫の時期はミルキーな青色です。この目色が変わるのには個体差があり、成長するまでに2年程かかることもあります。

体形・骨格

フォーリン・タイプの体形を持つロシアンブルーは、スリムで優雅な印象です。手足は長く、足先は小さいため、歩く姿に愛らしさがあります。筋肉質で、横顔は平坦で鼻筋がまっすぐ。耳は大きくて薄く、口角がわずかに上がって「ロシアンスマイル」と呼ばれる特徴があります。

性格の特徴

ロシアンブルーは一般的に「犬のような性格」を持ち、主人に対して非常に愛着があります。彼らは忠実で温かい心を持っており、一度信頼した人に献身的です。しかし、初対面の人には警戒心を抱くため、慣れるのには時間がかかる場合があります。

彼らは普段、あまり鳴かず「ボイスレスキャット」とも呼ばれることがありますが、運動量は多く、遊ぶのが大好きです。体臭や口臭も控えめで、手入れも容易なため、初心者にも愛される猫種です。

ロシアンブルーの人気は日本でも高く、特に安定した環境で育った猫を選ぶことが大切です。適切な飼育環境を提供し、愛情深く接することで、長い間家族として共に過ごすことができるでしょう。

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