ロッテ免税店

ロッテ免税店

ロッテ免税店（ロッテめんぜいてん、韓国語: 롯데면세점）は、大韓民国における主要な免税店事業者の一つであり、株式会社ホテルロッテの免税事業部門として運営されています。韓国の観光産業において重要な役割を担っており、国内外に広範な店舗網を有しています。

その始まりは1980年、ソウル特別市小公洞に最初の店舗がオープンしたことでした。以来、小規模なお土産店から出発し、現在はロッテ百貨店本店内に位置する大規模な旗艦店へと発展しました。この本店は、世界中の高級ブランドから韓国コスメ、食品まで、多岐にわたる商品を取り扱っており、常に多くの買い物客で賑わっています。

韓国内には、明洞本店のほか、ソウル市内のワールドタワー店、釜山のロッテ百貨店釜山店内店舗、済州島の済州店などがあります。ワールドタワー店は、一時的な運営権の問題から閉店と再開を経験した経緯を持ちます。済州店は所在地を移転しており、現在は現地法人「ロッテ免税店済州」が独自に運営しています。さらに、主要国際空港である金浦空港店や金海空港店にも店舗を構えており、これらの空港店舗の中には、既存事業者の事業買収や運営権の再獲得を通じて獲得したケースも見られます。

ロッテ免税店は、積極的に海外市場へも進出しています。日本には関西国際空港の出国エリアと、東京銀座の東急プラザ銀座内に大型の市中型免税店を出店しています。特に銀座店は、都心における大規模な免税店として注目を集めています。アジアの主要都市では、インドネシアのジャカルタやタイのバンコクに市内店を持ち、ベトナムの主要国際空港（バダナン、カムラン、ハノイ）にも店舗を展開しています。オセアニア地域では、オーストラリア（ブリスベン、メルボルン、ダーウィン、キャンベラ）やニュージーランド（ウェリントン）にある旧JR DUTY FREEの店舗を買収することで、広範な店舗網を築きました。これらの海外展開は、グローバル市場での存在感を強化する同社の戦略を示しています。

一方で、事業環境の変化や経営判断により閉店した店舗も存在します。済州空港店は運営権が他社へ移管されました。ソウル市内のコエックス店は、特許更新を行わずに営業を終了しました。海外でも、シンガポールのチャンギ国際空港店やインドネシアのスカルノハッタ空港店などが収益性の問題から閉店しています。特に、2001年の開港以来、韓国の玄関口として長らく営業を続けてきた仁川空港店が、2023年6月に閉店したことは大きな出来事でした。

ロッテ免税店は、マーケティング戦略の一環として、韓国内外の有名スターをイメージキャラクターとして積極的に起用してきました。過去にはチャン・グンソク、チェ・ジウ、SUPER JUNIOR、EXO、BTSなど、人気俳優やK-POPアーティストが広告に登場し、特に外国人観光客への認知度向上と顧客獲得に貢献しました。

このように、ロッテ免税店は創業から現在に至るまで、韓国を代表する免税店として国内外で事業を展開し、韓国の観光振興に寄与してきました。変化する市場環境に対応し、今後もグローバルな免税市場において重要な役割を果たしていくことが期待されます。

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