ワッペン

ワッペンは、ドイツ語の「Wappen」（紋章）に由来する、衣類や帽子などに取り付ける装飾品です。多くの場合、こぶし大ほどの大きさで、盾を模した紋章風のデザインが一般的です。ドイツ語の発音に近いカナ表記としては「ヴァッペン」とも呼ばれます。

ワッペンは、様々な分野で利用されており、その用途も多岐にわたります。例えば、サッカーの審判員がつけるワッペンは、その職務を象徴するものです。サッカー日本代表のユニフォームやJFL公認審判員のユニフォームには、八咫烏がデザインされたワッペンが使用されています。これは、チームや組織のアイデンティティを示す重要な役割を果たしています。

自衛隊においても、ワッペンは士気向上や所属部隊の識別を目的として広く採用されています。航空自衛隊ではほぼ全ての部隊で、陸上・海上[[自衛隊]]でも一部の部隊で導入されており、多くの場合、部隊内でデザインを募集しています。また、海外の部隊との交流や合同演習の際には、ワッペン交換会も盛んに行われ、国際的な友好関係を深める一助となっています。

過去には、ワッペンがブームになったこともあります。1964年（昭和39年）には、グリコが懸賞セールの景品としてワッペンを導入し、約500種類ものワッペンが用意されました。このことがきっかけとなり、子供たちの間でワッペン集めが一大ブームとなりました。しかし、その過熱ぶりは社会現象となり、中央青少年問題協議会が「童心を傷つける」として自粛を求めるほどでした。

ワッペンには、様々なデザインがありますが、動物をモチーフにした紋章もよく見られます。

鷲: 古くから権力や高貴さの象徴として用いられてきました。ローマ皇帝の象徴であり、その流れを汲むドイツ第三帝国、東ローマ皇帝、神聖ローマ皇帝、ハプスブルク家、ナポレオンなどが使用したほか、系統は異なりますが、アメリカ合衆国の国章にも採用されています。
獅子: 勇壮さの象徴として、紋章に頻繁に用いられるモチーフです。イギリス王室の紋章では、古くから一貫して獅子が使用されています。

これらの例からもわかるように、ワッペンは、単なる装飾品としてだけでなく、歴史や文化、組織のアイデンティティを表現する重要な役割を担っています。

関連項目

紋章
エンブレム
シール
アップリケ

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