ワンセグ

ワンセグとは

ワンセグ（1seg）は、日本の地上デジタル放送における携帯端末向けの受信機能を持つサービスです。正式には「携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス」として知られています。このサービスは、フィーチャーフォンやスマートフォンはもちろん、カーナビやポータブルDVDプレーヤーといった様々な機器に搭載されています。

概要

ワンセグは2006年4月1日に放送を開始し、携帯端末向けに特化した地上デジタル放送の一部を受信できる仕組みです。視聴するためにはＮＨＫの受信料が必要です。しかし当初は「視聴は無料」との報道もありました。

技術的に見れば、ワンセグは日本の地上デジタルテレビ放送（ISDB-T）の一部を使用しており、特定の周波数帯域の中から1セグメントが割り当てられています。このセグメントは視覚的にはQVGA（320×240ピクセル）相当の解像度ですが、小型のディスプレイデバイスでの携帯性を重視した設計です。また、音質は2chステレオで、通常の放送よりも持ち運びやすいことが特徴です。ワンセグは、受信可能な地域なら地上デジタルテレビ放送が受信できるエリアで利用可能です。処理性能の低いデバイスでも使用できるため、特に携帯電話やカーナビといった移動体に展開されました。

歴史

ワンセグ放送は2006年2月に実験的に行われた後、同年4月に本放送が開始されました。当初、受信できる機器は限られていましたが、徐々にさまざまな携帯電話に搭載され、2007年頃からはほぼ全てのスマートフォンでワンセグ視聴が可能になりました。ワンセグの普及は、インターネットを使った動画視聴がまだ十分ではなかった当時、通勤時のテレビ視聴に重宝されました。

拡大期

ワンセグ放送は2008年4月から独自の番組放送が始まり、全国の放送局へと拡大しました。2011年の東日本大震災時には、ワンセグ端末の普及率が高く、災害情報の受信においても活用されました。さらに、エリア放送の実験も各所で行われ、2012年には制度化されました。これにより、特定地域限定の情報提供が可能になりました。

衰退

しかし、スマートフォンの普及とともに状況は変化し、LTEや光回線による高速通信が整備されると、人々は動画配信サービスの利用を好むようになりました。2020年以降、ワンセグ対応の携帯電話の発売が減少し、2021年には新たなワンセグ機能付き機器が市場から姿を消しました。ワンセグ機能が付いているカーナビやオーディオ機器は今でも存在するものの、機能を省いた製品が増えています。

NHK受信料の問題

ワンセグにはNHKの受信契約が必要であるとの判決も相次ぎ、これがワンセグ機能付き携帯やカーナビの購入意欲に影響を及ぼしました。これは、特に若年層を中心にワンセグ機能が敬遠される要因となっています。

技術・仕様

ワンセグは、MPEG-4を用いた動画圧縮とAACによる音声圧縮を行っており、ハイビジョン放送に対する低ビットレートの受信に特化して設計されています。受信環境には厳しい条件があり、多くの利用者が移動中の車両などで受信できない場合もあります。ワンセグ対応の携帯電話が広がっていた時期ですが、最新のスマートフォンではワンセグ機能がほとんど見られず、その役割は終息に向かっています。

まとめ

一時は広く普及したワンセグですが、今や高画質のストリーミングサービスが一般化したことで、著しい衰退を迎えています。今後、このサービスがどのように発展していくのかが注目されるところです。

もう一度検索