ヴィクティファルス

ヴィクティファルス：スプリングステークス勝ち馬の軌跡

2018年5月1日生まれの競走馬、ヴィクティファルス。その名には、ガリレオ衛星の衛星名に由来するロマンチックな響きが込められています。2020年11月、阪神競馬場で行われた2歳新馬戦でデビューを飾ると、見事1番人気に応え、初勝利を手にしました。デビュー戦では、落ち着いて中団に位置取り、直線で力強い脚で抜け出し、後続を半馬身突き放す圧巻の走りを見せつけました。

3歳シーズン(2021年)は、共同通信杯で2着と好走した後、スプリングステークスに挑みます。レースでは中団からレースを進め、直線で外から鋭い末脚を繰り出し、先頭に立ったアサマノイタズラをアタマ差交わして優勝。重賞初制覇を成し遂げました。鞍上の池添謙一騎手と調教師の池添学氏、兄弟コンビによるJRA重賞初制覇という快挙も達成しました。しかし、続く皐月賞では9着、東京優駿（日本ダービー）では14着と、クラシック戦線では苦戦を強いられます。

夏に休養を挟んだ秋シーズンは、セントライト記念で5着、菊花賞で10着と、クラシック三冠レースでは結果を残せませんでした。

4歳、5歳シーズン(2022年、2023年)は、中山金杯、マイラーズカップと不振が続きました。その後、約半年の休養を経てリステッド競走に2戦出走するも、勝利には届きませんでした。5歳シーズン初戦の京都金杯でも12着と振るわず、去勢手術を受けました。去勢後初戦の京王杯スプリングカップでは最下位18着と惨敗。夏の小倉日経オープンでも着外に終わり、転機が訪れます。

陣営は、ヴィクティファルスの新たな可能性を求め、ダート路線への転向を決断します。そして、10月に行われた太秦ステークスで、ダート初挑戦を果たしました。スタートでやや出遅れながらも、中団でうまく流れに乗り、直線で最後の100メートル地点で逃げ粘るメイクアリープを差し切り、見事勝利。7番人気という伏兵ながら、スプリングステークス以来約2年7か月ぶりの勝利を掴み取りました。

ヴィクティファルスの血統背景には、種牡馬として活躍するシルバーステートが叔父にいます。そのほか、京都記念勝ち馬のシックスセンスも近親に名を連ねます。

ヴィクティファルスの競走生活は、華々しい重賞勝利からダートでの復活劇まで、様々なドラマがありました。その活躍は、競走馬としての能力の高さと、関係者たちの粘り強い努力の賜物と言えるでしょう。今後の活躍にも期待がかかります。

※競走成績は2024年9月28日現在の情報に基づきます。詳細な競走成績は、netkeiba.com、JBISサーチ、スポーツナビ、Racing Postなどのサイトで確認できます。

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