ヴイ・ファイヴ

『ヴイ・ファイヴ』の概要

『ヴイ・ファイヴ』（V・V、後者のVはローマ数字の5）は、1993年に東亜プランが開発し、タイトーから発売されたアーケード用の縦スクロールシューティングゲームです。海外では『Grind Stormer』というタイトルで知られています。アーケード版ではゲーム内で「グラインド・ストーマー」というゲームの一部として自機「NA-00」が操作されますが、1994年のメガドライブ版では異星人との戦闘に焦点が移されるなど、内容が変更されました。このアーケード版は、同年のゲーム誌『ゲーメスト』で行われた「第7回ゲーメスト大賞」においてベストシューティング賞の4位を獲得した実績を持ちます。

ゲームプレイ

このゲームでは8方向のレバーと2つのボタンを使って自機を操作します。1つのボタンはショットを発射し、もう1つはパワーアップを選択する役割を果たします。プレイヤーは、地上や空中の敵を撃破しながらステージを進行し、ボスを倒すことで次のステージへと進むことができます。自機にはストックがあり、敵からの攻撃や体当たりで1機を失い、ストックが0になるとゲームオーバーとなりますが、料金を支払うことでコンティニューが可能です。また、自機は連射機能を備えており、ボタンを押し続けることで効率的に攻撃が行えます。

本作は、全12ステージ構成（各6面×2周）で、最終面クリア後にゲームが終了します。2周目では敵を破壊することで発射される多数の弾がプレイヤーに襲いかかります。なお、アーケード版では珍しく、2人プレイが交代制であるため、「2人同時には遊べません」といったステッカーが筐体に貼られていたこともありました。

パワーアップシステム

『ヴイ・ファイヴ』では、1986年の『スラップファイト』以来の選択式パワーアップ方式を採用しています。プレイヤーは、特定のエリアに出現するアイテムを持った敵を撃破することでパワーアップカプセルを入手し、自機の能力を強化することができます。パワーアップカプセルに接触すると、使用できるパワーアップが灯ります。パワーアップ方法は順番に取得していく必要があり、取得後は再度カプセルを集める必要があります。

自機は初期段階でウィングを2つ装備しており、パワーアップに応じて装備数が増加します。さらに、装備する武器によってウィングの挙動が変わるため、戦略的にプレイすることが求められます。パワーアップにはスピードアップ、ショット、サーチ、ミサイルなどがあり、それぞれ異なる効果と特性を持っています。

移植版とバージョンの違い

メガドライブ版は、アーケード版の内容をテンゲンが発売したもので、国内版『ヴイ・ファイヴ』と海外版『Grind Stormer』が同時収録されています。画面の狭さにより、難易度が上昇したもののシールドの耐久性調整がなされました。アーケード版とは異なるシステムの導入やコンティニュー時の特定アイテム出現なども特徴です。

ストーリー背景

アーケード版の物語は、西暦2210年の設定で、プレイヤーは政府の諜報員という役割を果たします。彼はゲームの真の目的を探るために自機「NA-00」を駆り、仮想空間に入り込みます。一方、メガドライブ版では地球を侵略しようとするエイリアンを迎え撃つ地球防衛隊の一員として描かれています。

評価と影響

『ヴイ・ファイヴ』は、そのユニークなゲームプレイとデザインから、アーケード版で高く評価されました。メガドライブ版も、特異なゲームシステムや難易度から多くのファンを惹きつけています。プログラマーの池田恒基氏曰く、制作過程での学びは深く、彼のキャリアにおける重要な経験となったようです。ゲームのデザインにおいて、遊び手の視点を重要視することが、良いゲームを作るために不可欠だと語っています。このように、『ヴイ・ファイヴ』は技術的な工夫と熱意が結実した作品として、今もなお多くのゲーマーに愛されています。

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