一恵

山口百恵のシングル「一恵」（いちえ）について

「一恵」は、著名な歌手山口百恵の32枚目のシングルで、1980年11月19日にCBSソニーから発売されました。この日付は、彼女と三浦友和の結婚式の日でもあり、特別な意味を帯びた作品となっています。

曲の特徴

表題曲の「一恵」は、前作「さよならの向う側」と同様に6分を超える長編の楽曲です。この曲には、百恵自身のセリフがイントロと間奏に盛り込まれており、「一期一会…」という言葉から始まります。百恵がセリフを含むシングル曲をリリースするのは、1975年の「湖の決心」以来、実に5年ぶりとなる試みです。作詞には、百恵の別名義である「横須賀恵」が使われ、作曲は谷村新司が手掛けました。谷村は以前にも「いい日旅立ち」や「通りすぎた風」などの曲を作っており、百恵の歌の世界に大きく寄与する存在です。

B面の楽曲

B面には「想い出のストロベリーフィールズ」が収録されています。この曲は、前月に発売された百恵のラスト・オリジナル・アルバム『This is my trial』から抜粋されたものです。このシングルでは、A面・B面ともに本人の作詞によるものが掲載されており、これが彼女にとって最初で最後のケースとなります。特に、リリース時にダブル・ジャケット仕様が採用され、900円という特別価格での販売も話題となりました。

ジャケットと付属品

ジャケットの裏面には、百恵がこれまでに発表した31作のシングルジャケットが掲載されているほか、感謝のメッセージとサインが書かれた色紙のコピーも付属しています。また、ジャケットの写真は有名な写真家、篠山紀信によって撮影されたものです。

オリコンでの成功

「一恵」は、オリコンシングルチャートで29作目のランキング入りを果たしました。女性アイドル歌手としては、当時の記録を更新する快挙となり、シングルのランキング入り週数は239週間という驚異的な数字を達成しました。この曲のリリース後、百恵は引退を果たしますが、引退前の9月22日に放送された『夜のヒットスタジオ』で初めてこの曲が披露されました。

現在の評価と影響

現在も「一恵」は多くの音楽ファンの記憶に残り、百恵の音楽キャリアにおける象徴的な作品として位置づけられています。また、この作品は後年にリリースされた様々なベストアルバムやコレクションに収録されており、彼女の偉大な足跡を感じさせます。百恵の音楽的影響は色あせることなく、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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