万寿台テレビ

万寿台テレビについて

万寿台テレビ（マンスデテレビ）は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）のテレビ局です。1983年12月4日に放送を開始しました。放送時間は土曜日の19時から22時、そして日曜日の10時から13時と16時から22時となっています。

放送内容

万寿台テレビの主な放送内容は娯楽番組です。しかし、他の北朝鮮のテレビ局、例えば朝鮮中央テレビなどとは異なり、欧米の映画やドラマ、アニメーション作品も積極的に放送しています。また、海外のニュースを多く取り上げるのも特徴です。これらの多様な番組内容から、平壌市民の間で高い人気を誇っています。

設立当初の背景

設立当初、万寿台テレビは全国放送にすることが見送られました。これは、北朝鮮政府が、全国放送によって国民の思想統制が困難になることを懸念したためとされています。当初は金日成・金正日専用のテレビ局として企画され、欧米の報道やドラマなどを迅速に吹き替えて供給する目的がありました。しかし、この計画を知った金日成が激怒し、週末のみ一般向けに放送されることになったという逸話があります。

番組の特徴

万寿台テレビでは、朝鮮中央テレビのニュース番組でよく見られるような、勇ましい口調での原稿読みはあまり見られません。また、設立時には最先端の放送機器が導入され、贅を尽くした設備が整えられました。しかし、この豪華な設備を見た金日成が、金正日に対し「このようなものをまた作ったら、国家が滅びる」と叱責したというエピソードも残っています。

放送中断と再開

2015年には、放送局員が海外から取り寄せた映像をUSBメモリに入れて横流しする事件が発生しました。これにより、同年7月13日に放送が一時的に打ち切られましたが、同年11月に放送が再開されました。

放送エリアの拡大

長らく平壌周辺のみを放送エリアとしていましたが、2016年に地上波放送から有線放送に切り替え、全国放送となりました。

朝鮮中央放送委員会が運営する他のテレビ局

万寿台テレビ以外にも、朝鮮中央放送委員会は以下のテレビ局を運営しています。

朝鮮中央テレビ
朝鮮教育文化テレビ（2012年9月5日からは竜南山テレビに改名。教養番組や語学番組が中心です。）

関連情報

* 朝鮮中央放送 - 北朝鮮国内向けのラジオ放送です。

万寿台テレビは、その多様な番組内容と、過去の様々なエピソードから、北朝鮮のテレビ放送史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。

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