三共理化学

三共理化学株式会社について

三共理化学株式会社（Sankyo Rikagaku Co.,Ltd.）は、埼玉県桶川市に本社を構える研磨布紙・砥石の製造販売会社です。1930年に金子靖氏が個人経営として創業し、1953年に株式会社として設立されました。現在は、世界的な投資会社であるカーライル・グループの完全子会社となっています。

事業概要

同社は、日本で初めて耐水ペーパーを開発したことで知られる、研磨布紙業界のリーディングカンパニーです。自動車部品や塗装用の研磨紙を主力製品としており、その他にも、木工・金属加工用の研磨材、情報機器やプリント基板などの精密機器向けの研磨材、さらに近年では一般消費者向けに家庭用研磨材、美容用品、スポンジなども取り扱っています。

歴史

1930年：金子靖氏が個人経営として創業。
1953年：三共理化学株式会社を設立。
1954年：埼玉県浦和市に浦和工場を設置。
1958年：埼玉県桶川市に桶川工場を設置し、浦和工場を閉鎖。
1962年：三共合成工業株式会社を吸収合併。
1969年：カナダに合弁会社「Rezbond Abrasives Co.,Ltd.」を設立。
1980年：子会社として株式会社三進社を設立。
1985年：カナダに合弁会社「Uniq」を設立。
1988年：タイに合弁会社「Toa-Sankyo Industries Ltd.」を設立。
1993年：マレーシアに合弁会社「Vitraco Sankyo Industries Sdn.Bhd.」を設立。子会社の株式会社三進社を吸収合併し、浦和工場を設置。
1996年：日本証券業協会（現ジャスダック）へ株式を店頭登録。
1999年：本社を桶川工場に移転。
2001年：アメリカの販売会社「Fuji Star Coated Abrasives, Inc.」を買収、子会社を設立。合弁会社「Rezbond」の一部株式を取得、子会社を設立。
2002年：中国・上海に「G-team」との合弁会社を設立。
2007年：カナダの「Uniq」と「Rezbond」を合併し、「Fuji Star Canada Inc.」へ名称変更。
2009年：経営陣による自社買収（MBO）を決定。
2010年：ジャスダック上場廃止。
2019年：カーライル・グループが発行済み全株式を取得。

上場廃止とMBO

2009年、同社は中長期的な研磨技術の開発と上場維持コストの削減を目的として、経営陣による自社買収（MBO）を決定しました。当時の社長である須藤進氏が代表取締役を兼任する株式会社フジスターによる株式公開買付けを経て、2010年にジャスダックへの上場を廃止しました。

不祥事

2013年、公正取引委員会は、三共理化学が下請法に違反したとして、減額分の返金と再発防止を勧告しました。同社は、2011年8月から2012年11月にかけて、下請け業者への代金を不当に減額していたとされています。この背景には、原材料価格の上昇に伴う利益減少を抑える目的があったとされています。

製品の特徴

三共理化学は、長年にわたり培ってきた技術力とノウハウを活かし、様々な研磨ニーズに対応できる製品を提供しています。特に自動車産業においては、高い品質と性能が求められる研磨材の開発で重要な役割を果たしています。また、近年では一般消費者向け製品の開発にも力を入れており、家庭でのDIYや美容分野においても、同社の製品が広く利用されるようになっています。

今後の展望

グローバルな視点と技術革新を追求し、より高品質な製品開発を目指しています。自動車産業だけでなく、様々な分野での研磨ニーズに応えるために、常に最先端の技術を取り入れ、製品の進化を続けていくと考えられます。

外部リンク

研磨布紙サイト

加工事例サイト

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