三菱パワー

三菱パワー株式会社について

三菱パワー株式会社（Mitsubishi Power, Ltd.）は、日本の横浜市に本社を置く三菱重工業グループの一員であり、主に火力発電システムの製造と販売を行っています。2014年に日立製作所との統合により設立された企業で、現在は三菱重工業の完全子会社として活動しています。

会社の歴史と経緯

三菱重工業と日立製作所は、2012年から火力発電所のインフラ事業の統合について協議を進め、同年12月に合意に達しました。これにより2014年2月1日、「三菱日立パワーシステムズ株式会社」が設立されました。この統合の背景には、東日本大震災による原発事故の影響で電力会社の経営が厳しくなり、コスト削減が求められたことがあります。

また、両社が持つ異なる技術を統合することで、大型および中・小型ガスタービン市場で競争力を高める狙いもありました。2019年には日立製作所が保有する株式を三菱重工業に譲渡し、2020年9月1日には「三菱パワー株式会社」として社名変更が行われました。

2021年には、三菱重工業に火力発電システムに関する複数の事業が吸収され、グローバル市場向けの契約窓口としての役割に特化しました。

事業内容

三菱パワーは、主に火力発電用の蒸気タービンや大型ボイラーの製造を行っています。特に海辺のパワー業界では「タービンの日立」として知られており、特定の技術において高い評価を受けています。過去には米国のGE社からの依頼で複雑な形状のタービン翼を製品化したエピソードもあります。

拠点と製造環境

本社は横浜市のみなとみらい地域に位置し、主に業務を行っています。かつては日立工場、横浜工場、高砂工場、呉工場、長崎工場の5つの製造拠点を有していましたが、現在は三菱重工業の製造基盤として再編整備されました。

不祥事とその影響

企業活動の中で、三菱パワーは不正行為に関連した事件も経験しています。2018年には、タイでの火力発電所建設における賄賂事件が報じられ、当時の元取締役が不正競争防止法違反で起訴されました。この件については、司法取引が適用され、法人としての責任は問われなかったものの、元執行役員には懲役刑が言い渡されました。

このような背景を持つ三菱パワー株式会社は、依然として火力発電分野でのリーダーシップを発揮し続けています。高い技術力を基に、国際市場でも評価される企業として、更なる成長が期待されています。

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