三角絞め(さんかくじめ)
三角絞めは、
格闘技において非常に有名な絞め技であり、特に
柔道や
ブラジリアン柔術、MMAなどで実績がある技術です。この技は、相手の首と片腕を自身の足で挟み込み、非常に効果的な絞めをかけることが特徴です。相手の頚動脈に圧をかけることで、制圧効果が生まれます。基本的には、相手の片腕を自分の内腿で絞める一方で、反対側の頚動脈は自分の肩によって圧迫されるため、この技の名称が「三角絞め」となっています。
歴史と起源
三角絞めは、戦前の日本で盛んに行われていた高専
柔道の大会で発展したとされています。その中でも、岡山の第六高等学校の金光弥一兵衛
師範と早川勝によって、技術が研究され、改良されました。旧制高校の大会で使われていたこの技は、やがて全国に広まり、
柔道界で広く認知されることとなりました。
柔道の普及に伴い、三角絞めは他の
格闘技にも取り入れられるようになり、特に
ブラジリアン柔術やMMAでの応用が多く見られます。特に、早川が技術の有効性を示したことが、この技の広がりに大きく寄与しました。彼の試合においては、実際に対戦相手をこの技で降すことで、その効果を証明しました。
技のメカニズム
三角絞めを行う際は、まず相手を自分の膝裏や太ももに組み込み、しっかりと密着させます。この体勢から、内腿での絞めと肩での絞めを駆使することで、相手は脱出が難しくなります。両足で相手の腕を固定し、頭を引き付けることで、絞める力が強まり、効果的に相手を制圧できます。無理なく左右の脚を配置することで、より安全に、そして効果的に相手を制圧することが求められます。
バリエーション
三角絞めにはいくつかのバリエーションがあります。例えば、
前三角絞は対面の相手の腕を引き出し、脚を配置することにより、さらに強い圧迫を加える技術です。一方、
横三角絞は、仰向けになった相手に対して行う技で、体の直角に相手を組むことで行われます。
また、
後三角絞や
縦三角絞と呼ばれる技も存在し、相手の背後や正対する位置から攻撃することで、様々な状況に応じた攻防が可能です。これらの技は、一度相手を絞める姿勢を取ってしまえば、相手が逃れることが難しくなるため、非常に有効です。
ルールと禁止事項
柔道の試合の中には、特に中学生以下においては、三角絞めの使用が禁止されています。また、
ブラジリアン柔術でも特定の条件により、この技が制限されることがありますので、技を使用する際には必ず試合規則を確認することが重要です。
なお、規則の改正を経て、三角絞めに関してはさまざまな決まりが設けられてきたため、常に最新の情報を把握する必要があります。特に1980年代以降、三角絞めに関する詳細なガイドラインが制定され、選手たちはこの技の適切な使用を求められるようになっています。
現代における重要性
現在でも、三角絞めは
ブラジリアン柔術やMMAの試合において非常に頻繁に利用されており、その多様性と効果から多くの選手に愛されています。技術の向上と共に、さまざまな防御策や応用技術も研究されており、今後も進化し続けることが期待されています。これにより、三角絞めは今後も
格闘技の中で重要な技術として位置づけられることでしょう。