三輪休雪

三輪休雪 ― 萩焼の伝統を受け継ぐ名跡

山口県萩市に拠点を置く萩焼窯元、三輪窯。その窯主が代々襲名する名跡が「三輪休雪」です。単に「休雪」と呼ばれることもあります。

三輪窯は、江戸時代寛文年間（1661年～1673年）の創業と伝えられ、坂高麗左衛門の坂窯と共に萩藩御用窯として栄え、長い歴史と伝統を誇ります。幾多の変遷を経て現在に至るまで、萩焼の伝統を守り続け、日本の陶芸文化に貢献しています。

歴代の三輪休雪は、三輪窯の当主として活躍した人物ばかり。当主の座につくと「休雪」を名乗り、隠居後は別の号を名乗るという伝統があります。

歴代の三輪休雪

それぞれの休雪は、独自の作風と技法で萩焼の発展に貢献し、多くの名品を生み出しました。

初代 三輪休雪（本名：利定、通称：吉兵衛、1630年～1706年）：三輪窯の礎を築いた初代。
第8代 三輪雪山（1865年～没年不明）：8代当主として活躍。詳細な記録は少ないものの、三輪窯の歴史において重要な役割を果たしたと推測されます。
第9代 三輪雪堂（雪山の子、没年：1927年）：9代当主。その技法や作品は、後の休雪たちに大きな影響を与えました。
第10代 三輪休和（本名：邦廣、第9代雪堂の次男、1927年～1967年）：人間国宝に指定された名工。現代の萩焼に大きな足跡を残しました。
第11代 三輪壽雪（本名：節夫、第9代雪堂の三男、1967年～2003年）：人間国宝に指定された名工。伝統を守りつつも革新的な作品を制作しました。
第12代 三輪龍氣生（本名：龍作、第11代壽雪の長男、2003年～2019年）：12代当主。現代の萩焼界を牽引する存在でした。
* 第13代 三輪休雪（当代、本名：和彦、第11代壽雪の三男、2019年～）：現在の当主。伝統と革新を融合させた作品を制作し続けています。

三輪窯と萩焼

三輪窯は、萩焼の代表的な窯元として知られ、その歴史は萩焼そのものの歴史と深く関わっています。萩焼は、自然釉を用いた素朴で温かみのある作風が特徴で、古くから多くの人々に愛されてきました。三輪窯は、長年にわたり萩焼の伝統を守り続け、その発展に貢献してきたのです。

歴代の三輪休雪は、それぞれの時代において萩焼の技術を磨き上げ、新たな境地を開拓してきました。そして、その技術と精神は、当代へと受け継がれ、これからも萩焼の伝統は未来へと続いていくでしょう。

三輪窯、そして三輪休雪の歴史は、日本の陶芸史において重要な一章を刻んでいます。彼らの作品は、単なる日用品を超えた芸術作品として、多くの人々を魅了し続けています。

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