上田久美子

上田久美子 - 演出家の足跡

上田久美子（うえだ くみこ）は、奈良県天理市に生まれた演出家で、そのキャリアは宝塚歌劇団に根ざしています。彼女は京都大学でフランス文学を専攻し、最初は美学や美術史を学んでいましたが、2004年に卒業した後、製薬会社に勤務。その後、演劇の道へ進むことを決意し、2006年に宝塚歌劇団に演出助手として加わりました。

彼女の演出家としてのキャリアは、2013年の月組バウホール公演『月雲の皇子 -衣通姫伝説より-』でのデビューに始まります。この作品は高い評価を受け、続いて天王洲銀河劇場での再演も果たし、彼女の才能が広く認知されるきっかけとなりました。

その後、様々な公演に携わり、特に2014年の宙組シアタードラマシティ公演『翼ある人びと -ブラームスとクララ・シューマン-』は、第18回鶴屋南北戯曲賞の最終候補に名を連ねました。2015年には、雪組の大劇場公演『星逢一夜』で大劇場演出デビューを飾り、同作は第23回読売演劇大賞で優秀演出家賞を受賞するなど、その評価を確立させました。

2018年には『BADDY -悪党（ヤツ）は月からやって来る-』にて大劇場作品でのショー演出を手がけ、2021年には月組公演『桜嵐記』が再び鶴屋南北戯曲賞の候補に選ばれるなど、彼女の作品は高い評価を得続けています。2022年には宝塚歌劇団を退団し、その後も精力的に創作活動を続けています。特に2023年には、スペクタクルリーディング『バイオーム』の脚本を手がけて、第67回岸田國士戯曲賞にノミネートされました。

宝塚歌劇団での主な作品

上田久美子は、宝塚歌劇団において多くの作品を作・演出し、特に以下のような作品でその地位を確立しました。

• - 『星逢一夜』（2015年、雪組）：大劇場デビュー作品。
• - 『金色の砂漠』（2016年、花組）：トラジェディ・アラベスク形式での演出。
• - 『神々の土地〜ロマノフたちの黄昏〜』（2017年、宙組）：ミュージカル・プレイ作品。
• - 『桜嵐記』（2021年、月組）：ロマン・トラジック形式の作品。
• - 『BADDY』（2018年、月組）：ショー・レビュー作品。

受賞歴とその他の活動

上田は数々の受賞歴を持ち、特に『星逢一夜』によって第23回読売演劇大賞の優秀演出家賞を受賞しました。さらに、彼女は2018年に京都大学未来フォーラムで「パンとサーカスの危ない時代に」というテーマで講師も務めています。

彼女のキャリアと多様な活躍は、演劇界における新しい風を象徴しています。上田久美子は、今後も更なる創作活動を展開し、観客を魅了し続けることでしょう。

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