上町筋

上町筋：大阪の都心を南北に貫く歴史と交通の道

上町筋は、大阪市中央区の京阪東口交差点から阿倍野区の附属天王寺小学校前交差点までを結ぶ、全長約5.2kmの主要地方道です。北は大阪市道赤川天王寺線、南は大阪府道28号大阪高石線の一部を構成し、片側2車線の4車線道路として、大阪の街の重要な動脈として機能しています。

歴史と変遷：市電から現代の幹線道路へ

上町筋の歴史は古く、現在の姿になるまでには幾多の変遷を辿ってきました。上本町周辺は1911年から1928年にかけて、大阪市電の敷設に伴い段階的に拡幅、新設されました。特に、現在の上町交差点以北は、大坂城内とみなされていた地域であり、この時代に整備された区間です。

戦後の1946年には、戦災復興都市計画の一環として、大阪都市計画道路東野田河堀口線の一部として再整備されました。この際に、五條宮前西交差点以南の区間が新設されたのです。

1968年には、上町筋を走っていた大阪市電が廃止されました。それと前後して、上町筋の西方を並走する谷町筋が拡幅され、地下鉄谷町線が建設されました。このことで、上町台地の南北の主要幹線道路としての地位は、谷町筋に移行したと言えます。

現在の上町筋には地下鉄が通っておらず、近鉄の上本町駅が唯一の地下駅となっています。そのため、バス交通が盛んで、大阪シティバスの路線が多数運行されています。特に、62号系統は上町筋の主要路線として重要な役割を果たしています。

しかし、中央区上本町西一丁目から四丁目にかけての区間では、用地取得の遅れにより歩道が未だに整備されていない箇所が残るなど、課題も残されています。また、交通量の多い幹線道路との交差点の多くは立体交差化されておらず、交通渋滞の発生も懸念されています。天王寺バイパス付近を除いて立体交差化は進んでいません。

沿線情報：バス路線と周辺施設

上町筋には、多くのバス路線が運行されています。大阪シティバスの62号系統（大阪駅前～住吉車庫前）は京阪東口から上本町九丁目まで運行し、12号系統（あべの橋～布施駅）は四天王寺東大門前以南を走っています。

また、18号系統（北巽バスターミナル～玉造）、22号系統（あべの橋～諏訪神社前）、近鉄バス66番（近鉄上本町駅～JR桃谷駅）なども上町筋の一部区間を経由しています。

上町筋沿線には、大阪城大手前、国立病院大阪医療センターなどの公共施設や、商業施設、住宅などが立ち並び、多様な機能を備えた道路となっています。具体的なバス停としては、京阪東口、大阪城大手前、馬場町、国立病院大阪医療センター、上本町一丁目～九丁目、四天王寺東大門前、勝山住宅、大道二丁目などが挙げられます。

接続道路：主要道路との交差

上町筋は、多くの主要道路と交差しています。これらの道路との接続状況も、上町筋の交通状況に大きな影響を与えています。詳細な接続道路の名称については、地図等を参照ください。

まとめ：歴史と現代が交差する上町筋

上町筋は、大阪の歴史と発展を反映した、重要な道路です。市電の時代から現代まで、交通網の変化や都市計画の影響を受けながら、その姿を変化させてきました。現在も、交通量の多い幹線道路として機能する一方、歩道整備の遅れや立体交差化の不足など、課題も残されています。今後の発展に期待しつつ、歴史的な背景と現状を理解することで、上町筋の持つ魅力をより深く知ることができるでしょう。

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