上越まつり

上越まつりの概要

上越まつり（じょうえつまつり）は、新潟県上越市で行われる夏の祭りで、毎年7月の下旬に開催されます。この祭りは、7日間にわたるイベントで、前半は高田地区、後半は直江津地区がメイン会場となります。特に直江津地区では「直江津祇園祭」として知られ、19町内の屋台（山車）が4日間にわたって練り歩く様子が人気です。最終日には、八坂神社で「御饌米奉納」（米俵の奉納）が行われ、祭りは盛大に締めくくられます。

祭りの始まりと日程

祭りは毎年7月23日に直江津の八坂神社で行われる発輿祭（はつよさい）から始まります。この際、神輿に御神体が移され、陸路で高田北本町の陀羅尼八幡宮へと運ばれます。24日には高田の仮宮に宮入りし、高田城下を渡御します。26日には直江津で迎えられ、屋台と花火のイベントが行われます。このように、神輿は直江津中を巡る中、屋台も同じように笛や太鼓による祇園囃子を奏でながら進行します。29日の夜に八坂神社へ集まり、五穀豊穣を願い、フィナーレを迎えます。

祭りの歴史

直江津祇園祭は平安時代に起源を持つとされています。江戸時代には、松平忠輝公が高田城に移る際に、直江津の神社仏閣が高田に移築されましたが、八坂神社だけは残されました。その結果、祭りの際には神輿が高田まで出張することになったと伝えられています。屋台は江戸時代に登場し、昭和初期から中期には約30台が存在したとされており、現在は全19町内の屋台が巡行しています。

1971年に高田市と直江津市が合併し、上越市が誕生したときに「上越まつり」という名称に改称され、現在に至ります。近年まで高田地区でも花火大会が行われていましたが、現在は直江津地区でのみ実施されています。2017年には、「直江津・高田祇園祭の御旅所行事と屋台巡行」として、新潟県の無形民俗文化財に指定されています。

祭りの神々

直江津八坂神社の祭神は素戔嗚命（すさのおのみこと）であり、祭りの期間中は御神輿に乗せられます。また、素戔嗚命の妻である大市姫命は農業や食物の神として信仰されています。女性の祭りへの参加は大市姫命の嫉妬を恐れるため一般的には禁止されています。

屋台の特徴

直江津の屋台は多くが舟形をしており、特に本町や横町の屋台には猿田彦命の像が先導役として設置されています。屋台は直江津中を巡りながら、祭りの雰囲気を盛り上げています。年々少子高齢化の影響を受けているものの、各町内の人々が協力し合い、祭りの伝統を維持しています。

最後に

上越まつりは、その独特な歴史や文化的背景に根ざした、地域の人々にとって特別なイベントです。毎年多くの人々がこの祭りを楽しみにしており、地域共同体との結束を深める大切な機会となっています。

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