上遠野修

上遠野 修

上遠野 修（かとうの おさむ）は、1978年（昭和53年）9月20日に生まれた日本の政治家です。現在は、茨城県東茨城郡城里町の第3代町長を務めています。

茨城県水戸市の出身で、地元の茨城県立水戸第一高校を卒業した後、東京大学経済学部で学びました。大学卒業後は、株式会社大林組や楽天株式会社といった民間企業で勤務した経験を持ちます。その後、民主党（当時）の衆議院議員である福島伸享氏の政策担当秘書として、政治の現場に携わりました。

政治家を志し、2013年2月17日に行われた城里町長選挙に立候補しましたが、当時の現職であった阿久津藤男氏に及ばず、惜しくも当選は果たせませんでした。

しかし、翌2014年9月21日投開票の城里町長選挙に再び挑戦し、この選挙戦で勝利を収め、城里町長に就任しました。その後、2018年9月の選挙で再選を果たし、引き続き町政を担うこととなりました。そして、2022年8月の選挙でも三選を果たし、現在に至ります。

在任中の主な出来事

町長としての任期中、いくつかの出来事が注目を集めました。

新型コロナウイルスワクチン先行接種問題

2021年5月、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が、高齢者を対象に始まったばかりの時期に、上遠野氏を含む町職員計29人が、高齢者に先駆けてワクチン接種を受けていたことが明らかになりました。

この件について、上遠野氏は同日の記者会見で、「医療関係者の間で発生したキャンセル分のワクチンを無駄にしないための有効な活用策だった。これは適切な判断であった」と説明しました。さらに、「集団接種会場として使用していた保健センターは診療所としても登録されているため、その開設者である自身も医療従事者の一員である」と述べ、「町長である自分は医療従事者である」という認識を示し、自身の接種を正当化しました。

一方で、同様に接種を受けた仲田不二雄副町長や教育長からは、「高齢者などを優先すべきであり、申し訳ない気持ちである」「配慮が足りなかったと反省している」「早い段階での接種で良いのだろうかという疑問は頭をよぎったが、このような結果になるとは予想もしなかった」といった反省や謝罪の言葉がありました。城里町議会の議長もこの状況に対し、「『私も医療従事者だ』という町長の発言は、ワクチン接種を待ち望む町民の心情を顧みないものである。安心安全を届けるべき立場にありながら、議会への説明もなく、謝罪の姿勢も見られないのは到底受け入れられない」と厳しく批判しました。

こうした批判の声が高まったことを受け、上遠野氏は最初の記者会見から8日後の5月21日、自身の発言を撤回しました。そして、「自身を『医療従事者に準ずる立場』と位置づけた先の見解を撤回する」とし、「集団接種事業全体を統括する首長という立場から接種を行った。公表が遅れたことについて、申し訳なく思う」と述べて謝罪の意を示しました。

自動車追突事故発生時の対応

2023年1月16日の夕方、上遠野氏は県内の国道において、自ら運転する私用車で追突事故を起こしました。交差点で右折待ちをしていた先行車に追突した後、当事者双方は近くのコンビニエンスストアに車を移動させました。この際、被害者からは、上遠野氏が相手方の怪我の有無を確認したり謝罪したりする前に、まずコンビニに入って肉まんを購入し、「食いますか？」と言いながらそれを差し出してきた、という証言が寄せられています。

また、警察が現場に到着した後に連絡先を交換する際にも、自身の氏名の漢字表記に誤りがあったにもかかわらず自ら訂正しなかったり、名刺を渡さなかったり、さらに町長であるという自身の身分を伏せようとしていたといった状況であったとされています。事故発生時の対応についても、その適切性が問われることとなりました。

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